Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Research Abstract |
まず,筆者らが開発した非立体特異性触媒(TiCl_3/MgCl_2ーAlEt_3)を用いて,立体特異性の向上に及ぼすルイス塩基の作用機構について検討した。この触媒でプロピレンの重合を行うと,生成ポリマ-は全て熱ヘプタンに可溶なアタクチック(ata)PPとなるが,この系に安息香酸エチルを添加すると,熱ヘプタンに不溶なアイソタクチック(iso)PPが選択的に得られることがわかった。これにより、ルイス塩基は重合活性種に直接関与し,立体特異性をaspecificからisospecificに変えることが初めて実証された。 ついで,iso重合の成長速度がata重合のそれに比して大きくなる原因を詳細に調べた。aspecificおよびisospecific触媒を用いてプロピレンの重合を極く単時間行い,生成オリゴマ-の分布をGPーMASで分析した結果,前者の場合にはオリゴマ-は相当高分子量まで連続的に分布するが,iso PPを与える後者の場合には,約10量体までのオリゴマ-は観測されるが,それ以上は極めて高分子量に至るまで検出できなかった。この結果は,ata重合は定常的に進行するが,iso重合は約10量体が生成すると成長速度が急激に加速されることを示している。これは,iso PPが約10量体に成長すると,ら施状のコンホ-メ-ションを形成し,その効果により重合速度が増大すると解釈される。この点をさらに明確にすべく現在鋭意検討中である。 オレフィン重合におけるregiospecificityの制御法についても重要な手がかりを得た。通常のTi系触媒では,2.1ー付加の並発によるプロピレンの反転(C.I.)はほとんど生じないが,CpTiCl_3をSiO_2に担持し,安定な孤立サイトを調製するとC.I.が頻発し,その結果高品質のオレフィン系ゴムを与えることを明らかにした。
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