Project/Area Number |
01470102
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 隆 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30143663)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 複屈折 / ポリマ-アロイ / 分子配向 / 配向緩和 / 光弾性係数 / 協同緩和 / 偏光解消散乱 / 局所的液晶秩序 / 相溶性 / 応力緩和 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
分子レベルで相溶し一相となりうる異種高分子混合系のいくつかは、分子配向しても光学的に等方性、すなわち非複屈折性である。これは基本的に、成分ポリマ-の正と負の複屈折の相殺効果によると考えられる。しかし、高分子の分子配向そのものが温度・時間依存性を有しており、一般に各成分鎖の配向緩和速度が異なることを考えれば、この複屈折相殺は極めて興味深い現象である。本研究では、この相殺現象の分子論的解釈を目的として、混合系の微少変形後の応力と複屈折の同時測定を行い、分子配向緩和の温度・時間依存性が複屈折に及ぼす影響について調べた。混合試料としては、ポリフェニレンオキサイド/ポリスチレン,ポリメタクリル酸メチル/ポリフッ化ビニリデン,ポリ塩化ビニル/ポリメタクリル酸メチルなどを用いた。一定の緩和時間(t=1S)での複屈折の単純加成則より算出される混合系の複屈折の温度依存性は実測実果と大幅な不一致を示した。混合系のガラス転移温度を基準にして横シフトしたのちに加算すると実測曲線に接近することがわかり、成分鎖の非独立的緩和が示唆された。さらに温度一時間重ね合わせによって得られる複屈折の合成曲線についても単純加成則が成り立つのは極めて短時間側のみであることがわかった。緩和弾性率の合成曲線からえられる特性緩和時間Trを算出し、両成分鎖のTrが混合系のそれに等しいと仮定すれば、複屈折合成曲線に関して計算と実測の結果が見事に一致することを見い出した。すなわち、両成分鎖は協同緩和することがわかった。さらに、複屈折と応力の比C(stressーoptical coeff)は緩和過程で一定であるとする光弾性則からの逸脱が観察された。これは一相系融体における強い異分子間相互作用あるいは“構造形成"を暗示するものである。別途、偏光解消散乱実験を行い、局所的なネマチック液晶的秩序の存在を確認した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)