Project/Area Number |
01480008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
南川 幸 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (40071013)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 南海型気候地域 / 熊野灘沿岸東部気候地域 / 魚附林や無人沿岸離島 / ハマオモト線(本州南岸線) / 亜熱帯性植物を含む植生 |
Research Abstract |
日本列島的次元における太平洋側の暖温帯性常緑広葉樹林の温存される紀伊半島東部臨海部の原植生に近い温存域を求めて新宮市から熊野市・尾鷲市・紀伊長島町・南勢町・伊勢志摩地方までの熊野領灘臨海部の精査を行い九鬼半島頂山西斜面(尾鷲市)・大島(紀伊長島町の海上約5kmの無人島)・鈴島(同約2kmの無人島)・徳司神社叢(熊野市新鹿町)などを核に10数箇所に紀伊半島の海岸から海抜60mの低地を自然植生とするスダジイーミミズバイ群集林、二見松下社(度会郡二見町)、丸山庫蔵寺叢(鳥羽市)、石鏡神社叢(鳥羽市)などの核に、10数個所にスダジイーミミズバイ群集林の成立環境よりも冬季の平均気温が約1℃低いやや内陸部にホソバカナワラビ・コバノカナワラビが植被率30%ほど高いスダジイーホソバカナワラビ群集、花の窟(熊野市)はじめ数箇所に屋久島に次いで日本で最も降水量の多い立地(半間3.200mm以上)を本拠とし、バクチノキが高い常在度で出現するタブノキームサシアブミ群集に含まれる常緑広葉樹林も確認された。遊木神社叢(熊野市遊木町)、降水量が多く温暖な立地に(伊勢神宮・磯部神社・豊浦神社叢)など数箇所にイチイガシ-ルリミノキ群集、弁天島(度会郡南島町)・見江島(同)などにウバメガシートベラ群集などが成立温存されている。これらを次年度に植生調査を実施する計画である。 日本列島的次元における暖温帯性種について精査を行った結果、大島の前記スダジイーミミズバイ群集林の温存される狭い砂浜海岸にハマオモト群落、九木神社叢から木崎一帯(尾鷲市)にヘゴ科のクサマルハチ,リュウビンタイ・ヒロハノコギリシダ・キクシノブなど暖地系のシダ植物の群生地が確認された。和具大島(志摩町和具の海上約3km)にハマオモト群生地、ハギクソウの生育地及びハマグルマ・キノクニシオギクなどの暖帯性砂浜植物群落も生育を確認した。
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