Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Research Abstract |
前年度途中で研究代表者が東京農工大学から東京大学へ移動したため,本年度は研究組織が多少改変された。即ち,研究分担者は芝野博文(東京大学農学部助手)と窪田順平(東京農工大学農学部助手)となり,役割分担も地域別とし,主研究フィ-ルドの東京農工大学波丘地試験地は窪田が担当,東京大学愛知演習林試験地は芝野が担当したほか,新たに東京大学千葉演習林内に,同演習林の協力を得て袋山沢試験地を開設し,太田および芝野が担当した。なお,この試験地については研究協力者として東京大学農学部助手執印康裕氏の協力を得た。 さて,本年度は本研究の最終年度に当るので過去3ヶ年の実験を総括する。東京農工大学波丘地試験地を中心とした雨水流出の観測から丘陵性山地での集中流の実態がほぼ解明された。即ち,集中を可能にする水文学的基盤の特性,その上にのる土層孔隙の水理特性(飽和不飽和浸透特性、保水特性),集中流発生の原因となる表層地下水の発生特性などが明らかにされた。この過程で,土壌物理実験に関する試験方法の改善にも成果があった。さらにパイプ流の実態解明もかなり進んだ。 一方,愛知演習林小流域試験地および新たに設けた千葉演習林袋山沢試験地の観測を通した両流域の流出特性の解析から,土層構造の流出に与える影響の重要性が更に明確になったほか,袋山沢試験地の細詳観測により斜面流出の本格的シミュレ-ションモデル開発の道具だてをそろえることができた。(但し,モデルの実成までには至らなかった。) 集中流の表層崩壊発生に与える影響については,表層崩壊委発地帯として知られる千葉県南部の千葉演習林袋山沢試験地での観測がきわめて有効であると思われるが,平成3年度からの研究であるため現在解析中で,現在までのところ発表すべき成果は得られていない。今後,このフィ-ルドは研究代表者の主フィ-ルドとなるが,その基礎固めはできた。
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