Project/Area Number |
01480075
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 順一 京都大学, 農学部, 助教授 (80115782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 圭造 京都大学, 農学部, 教授 (50026506)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
|
Keywords | フェノ-ル酸 / タケ / 細胞壁成分 / 架橋形成 / 細胞の成長 |
Research Abstract |
高さ約6mのモウソウチクの幼竹を1m毎に切断し、構成成分を分析した。アルコ-ル・ベンゼン抽出物は上部にいく程増加する傾向が認められた。しかし、リグニン含量は逆に下部にいく程増大した。この傾向は、ペントサン、ホロセルロ-スやα-セルロ-スについても認められた。また、各資料中の中性糖組成を分析したところ、ペントサンの多い下部程キシロ-スとグルコ-スの含量比が大きくなっていくこともわかった。 次に、乾燥させた資料を2NのH_aOH水溶液でケン化し、遊離してくるフェノ-ル酸をTMS化し、GC及びGC-MSを用いて分析した。その結果、フェノ-ル酸の種類とその量はいずれも上部と下部でかなりの差があることがわかった。特にリグニンと結合したp-クマ-ル酸と比較して糖と結合したフェルラ酸は上部に多く含まれている特長があることがわかった。 さらに、各資料より水可溶性のリグニン・ヘミセルロ-ス・フェノ-ル酸結合体を単離し、分子量分布を分析したところ、排除体積の位置に溶出されるW-1画分、重量平均分子量が7x10^5のW-2画分及び4〜5x10^3のW-3画分に分離されたが、上部へ行くに従いW-1、W-2画分が減少した。また、化学組成分析の結果、上部程リグニン含量が低く、糖の占める割合が高くなり、糖部分はアラビノグルクロノキシランが主成分でフェルラ酸がエステルで結合していることがわかった。さらに、これらのLCCをセルラ-ゼ製剤で処理した結果、フェルラ酸がエステル結合した3^2-L-arabinofuranosyl-D-xylotrioseと2^2-L-arabinofuranosyl-D-xylobioseを単離し構造決定することができた。これらのエステル架橋形成によりセルロ-スミクロフィブリルとキシラン間の相互作用は低下するが、リグニンとヘミセルロ-ス間の相互作用は増大し伸長成長が制御されると思われた。
|