ミネラル欠乏あるいは過剰由来のミネラル相互間アンバランスに起因する疾患に関する研究
Project/Area Number |
01480199
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 美恵子 京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正恒 京都大学, 医学部, 助教授 (20115786)
近藤 久雄 京都大学, 医学部, 助手 (20205561)
横井 克彦 京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | ミネラル欠乏 / ミネラル過剰 / ミネラル相互間アンバランス |
Research Abstract |
水俣病、イタイイタイ病など微量元素中毒による公害病のほか、最近は微量元素を多量に含む健康食品の過剰摂取に起因する微量元素中毒や経管・経腸栄養法による人工的栄養管理下または過度の精製による微量元素含有量が低下した加工食品や繊維など難消化性食品過剰摂取によるミネラル欠乏症が発生しているが、これらミネラル類摂取の過不足により、他のミネラル類にも生体内インバランスが引き起こされ、種々の疾病の誘因となると考えられる。以下に示すミネラルの過不足条件下におけるラットの病態についてミネラル充足状態を初め、生理学的、生化学的、組織学的検討を加えた。(1)マグネシウム欠乏:血液、各種組織中Na、K、Ca、Zn、Cu、Fe、Mn濃度にインバランスをもたらすが、特にFeの肝臓への沈着、Mnの低下が顕著であった。血清中各種コレステロ-ル等の脂質系指数の上昇、心筋及び大腿筋繊維の萎縮・崩壊、細胞間隙の拡大等がみられた。(2)カルシウム欠乏:血液、各種組織中Na、K、Ca、Zn、Cu、Fe、Mn濃度バランスを大きく崩すが、特に各種組織中銅濃度の低下が著しかった。(3)銅欠乏:Feの血清、骨での低下、肝、脾臓での顕著な上昇、(4)マンガン欠乏:Ca,Mgをはじめとする各種ミネラルインバランスをもたらす。(5)マンガン過剰:各種ミネラルのインバランス、特に経管栄養補給時における脳へのMn蓄積の弊害が著しい。(6)ゲルマニウム過剰:体重低下、骨、心筋を中心とする各種組織中Geの蓄積、血清中K及び脂質系指数の上昇、心筋組織の崩壊、え死を認めた。また、健康人、老人または完全静脈栄養管理下の患者の血液ミネラル濃度を測定し、微量元素栄養状態について検討した。老人病院入院患者ではFe,Znの栄養摂取状態が悪く、血清中Zn、P、Mg濃度はFe濃度等貧血関連指数と正の相関関係、Caとは負の相関が認められた。即ち、血液の貧血指数により概略の老人栄養状態が判定できるが、Ca栄養のみについては別途考慮が必要であろうことが明かとなった。また、長期完全静脈栄養管理下の患者では軽度のミネラル栄養欠乏状態にあった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)