自己免疫疾患の遺伝要因に関連する新しいリンパ球分化抗原の解明
Project/Area Number |
01480215
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏木 平八郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60015972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 良樹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80114784)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | Blast-1抗原 / 遺伝子多型性 / 自己免疫疾患 / 遺伝要因 / SLE / RA |
Research Abstract |
1.〔Blast-1(BL-1)抗原の多型性に関する基礎的検討〕血縁関係の無い正常日本人170名、正常白人26名および正常7家系の両親および子供の末梢血白血球よりDNAを抽出精製した。DNAを制限酵素で切断し、サザントランスファ-を行い、Blast-1 cDNAとハイブリダイゼイションを行い、Blast-1抗原の遺伝子型を決定した。遺伝子型は2種類認められ、2.4kilobase(kb)のDNA切断片をL、1.9kbのDNA切断片をSと命名した。日本人および白人の正常人の表現型はL-L、L-S、S-Sの3型に分類された。家族の調査よりBlast-1遺伝子はメンデルの法則に従って遺伝すると推定された。日本人における3型の頻度は各々0.47、0.42、0.11で、白人における頻度は各々0.69、0.27、0.04で、日本人と白人では頻度に有意差を認めた。よって、Blast-1抗原型と疾患との関連をみる場合、人種別に抗原型の頻度を観察する必要がある。 2.〔Blast-1(BL-1)抗原の多型性に関する臨床的検討〕(1)全身性エリテマト-デス(SLE)、慢性間接リウマチ(RA)などの日本人の自己免疫疾患患者270名の末梢血白血球よりDNAを抽出精製し、上記の方法でBlast-1抗原の遺伝子型を決定した。遺伝子型は、正常人同様に2種類、2.4kb、1.9kbが認められ、上記疾患では、Blast-1遺伝子の異常は認められなかった。 (2)SLEにはL-S型が有意に多く認められた。更に、L-S型の頻度は家族性SLEでは、非家族性SLEより高値であった。SLEの漿膜炎はL-S型に多く認められた。 (3)RAの肺線維症はL-L型には認められなかった。以上より、Blast-1抗原遺伝子は、自己免疫疾患の病因、遺伝、症状発現に関与している可能性が考えられた。 3.〔今後の計画〕Blast-1は、他の自己免疫疾患と悪性腫瘍において遺伝要因となり得るか研究する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)