Project/Area Number |
01480522
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木幡 陽 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30030852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 玉夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30168827)
古川 清 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10190133)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / IgG / アスパラギン結合糖鎖 / ガラクト-ス転移酵素 / B細胞 / Fc-レセプタ- / 補体 / リウマチ因子 |
Research Abstract |
ヒトIgGをシアリダ-ゼで処理した後Streptococcas 6646Kから精製したβ-ガラクトシダ-ゼで消化することにより、ガラクト-ス残基を完全に欠いたIgGを調製することに成功した。これを基質に使って健常人並びにリウマチ患者の血液から精製したB細胞のホモジネ-トを酵素源にUDP-〔^<14>C〕Galからのガラクト-スの転移を調べた。その結果、リウマチ患者のB細胞では同転移酵素の活性が著明に低下していることが判明した。これに対しヒトトランスフェリンからシアル酸とガラクト-スを完全に除いたもの、及びヒツジ顎下腺からシアル酸を除いたものを基質に使った場合は両B細胞のガラクト-ス転移酵素活性に有意の差が認められなかった。この結果はB細胞の中にIgGの糖鎖に効率良くガラクト-スを附加する酵素が存在し、リウマチ患者のB細胞ではこの酵素の活性が選択的に低下していることを示している。そこで健常人並びにリウマチ患者のB細胞ホモジネ-トを酵素源に動力学的な検索を進めたところ、リウマチ患者の酵素はUDP-Galに対するKm値が大きくなっていることが判明した。この結果はリウマチという複雑な疾患の背景に遺伝的な素因が存在することを示すものである。 次にガラクト-スを除く前後のヒトIgGについてその機能を比較研究して見た。その結果C_1qとの結合並びにヒトマクロファ-ジ株化細胞、U_<937>表面のFc受容体に対する結合が顕著に低下することが明らかになった。これに対しガラクト-スの除去はIgMリウマチ因子やタンパク質Aとの結合に一切影響を与えなかった。以上の結果はさきにNoseとWigzellによって報告されたIgG糖鎖の完全除去による機能低下と全く同様の現象がガラクト-スを除去するだけでひき起こされることを示すものである。リウマチ患者の血清IgG糖鎖に発見されたガラクト-ス減少現象とリウマチの病理を考えて行く上で重要な知見である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsuchiya,N.,Endo,T.,Matsuta,K.,Takeuchi,F.,Miyamoto,T.,Kobata,A.: "Effects of galactose depletion from oligosaccharide chains on immunological activities of human IgG." J.Rheumatology. 16. 285-290 (1989)
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[Publications] Ohbayashi,H.,Endo,T.,Michaesco,E.,Gonzales,M.,Kochibe,N.,Kobata,A.: "Structural studies of the asparagine-linked sugar chains of two immunoglobulin M's purified from a patient with Waldenstrom's macroglobulinemia." Arch.Biochem.Biophys.269. 463-475 (1989)
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[Publications] Furukawa,K.,Matsuta,K.,Takeuchi,F.,Kosuge,E.,Miyamono,T.,Kobata,A.: "Kinetic study on a galactosyltrasferase in the B cells of patients with rheumatoid arthritis." International Immunology. (1990)
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