Project/Area Number |
01510044
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
国分 振 東北大学, 教育部, 教授 (30018155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一夫 東北大学, 教育学部, 助手 (30173652)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | テキスト / 結束性 / 理解 / 記憶 / 眼球運動 / 読み |
Research Abstract |
文章の理解・記憶過程において、首尾一貫した内的表現を形成するためには、各文からの情報が統合され、文脈的に体制化されることが必要である。今回は、この情報統合にかかわる要因の一つである「因果的結束性」の効果を実験的に検討した。たとえば「太郎は新車を買った」「それで、定期預金を解約した」という二文は、「太郎はニュ-スを聞いた」、「それで定期預金を解約した」という二文よりも、結束性が高い。実験では、(1)こうした原因文と結果文の二文の因果的結束性が、4レベルにおいて異なるように、予備実験によって標準化した素材を、(2)パ-ソナル・コンピュ-タのディスプレイ上に呈示し、大学生の被験者に、その理解と記憶を求める課題を行なわせた。その際、(3)各文の読み(反応)時間を測定・記録し、-通り読み終わった後、各文の記憶(再生・再認)のテストが行われ、また、(4)読みの過程中の眼球運動の測定・記録が行なわれた。 今回は、本研究費で調えた竹井機器製メガネフレ-ム式眼球運動デ-タ処理システムを中心にシステムを組んだが、文字レベルで眼球運動を正確にとらえるためには、技術的に困難が多く、この測定と分析のための方法論的検討に多くの時間とエネルギ-を費さざるを得なかった。試行錯誤の末、現在、どうやら一応の標準的を方法が確立できた感じである。それに従って鋭意分析中であり、まだまとまった結果を発表できる段階ではないが、(1)同じ反応時間を示す読みであっても、その内的処理のパタ-ンは多様であることが、眼球運動の軌跡から知られる。(2)文処理における各個人のストラテジ-の違いが大きい。など、眼球運動の測度が含む情報量は期待通り大きいものであることが示唆されている。
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