キンドリング現象を用いた慢性てんかんに伴う種々の障害に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01510055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 和典 福井医科大学, 医学部, 助教授 (50143938)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | キンドリング現象 / てんかんモデル / 扁桃核 / 海馬 / 中隔核 / GABAニュ-ロン / 免疫組織化学的方法 / ラット |
Research Abstract |
本研究は動物(ラット)を用いて慢性的キンドリング現象を完成させ、その後の脳内の様々な部位、特に記憶にとって重要な部位である海馬や他の大脳辺縁系間の神経結合様式を神経解剖学的及び免疫組織化学的に解析し、キンドリングの慢性化に伴う脳内神経機構の変容過程を明らかにすることを目的とした。まず、最もキンドリングの生じやすい扁桃核を毎日一回後発射闘値で刺激し連続数回の全身けいれん発作が誘発されるまで続け、慢性キンドリングの動物モデルを作製した。このキンドリング現象が完成した時点から直後、一週間後、二週間後、三週間後、一ケ月後にそれぞれのラットの脳を潅瘤固定後摘出し、GABA免疫組織化学的方法に従って海馬内GABA陽性ニュ-ロンの動態を観察した。その結果、キンドリング完成直後では変化せず、むしろキンドリング完成から三週間以降にGABAニュ-ロンの顕著な減少を示した。これらのことから少なくともキンドリング形成そのものには海馬内GABAニュ-ロンはそれほど関与していないことが示唆された(日本心理学会第53回大会発表論文集、1989)。将来は海馬以外の部位やその他の神経伝達物質を含有するニュ-ロンの解析を行う予定である。 また神経解剖学的検索として、従来から注目されている内側中隔核一海馬投射経路関して、順行性標識物質であるPHA-Lを内側中隔核に電気泳動法によって注入し海馬で標識された神経終末分布を三次元的に解析した(Neuroscience Letters,1990, in press)。今回はまず統制群(非キンドリングラット)でのデ-タを収集した。その結果、内側中隔核の吻側部の神経細胞は主に背側海馬へ投射しており、内側中隔核の尾側部は腹側海馬へ主な入力を送っていることが明かとなった。今後は、慢性キンドリングラットの例数を増やし、キンドリングに伴う中隔一海馬投射線維の変容過程を詳細に吟味する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)