親の育児力の実態と乳幼児集団保育の役割の認識および保育者の援助による育児力の向上
Project/Area Number |
01510078
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉本 真理子 帝京大学, 文・経学部教職課程, 専任講師 (70130010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 礼子 共栄学園短期大学, 生活科, 非常勤講師
中村 美津子 和泉短期大学, 児童福祉科, 助教授 (90122994)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 育児力 / 親準備性 / 乳幼児との接触経験 / 育児観 / 受容度 / 心理的孤立 / 質問紙調査 / 面接調査 |
Research Abstract |
1.親の育児力の実態(乳幼児の母親対象の質問紙予備調査の結果):(1)初めての出産以前に乳幼児の世話をしたことのある母親は2・3割程度にすぎず、また結婚前には育児に関して学ぶ機会はほとんどなく、出産前になってようやく学ぼうとし始めている。しかしその時点でも、育児についての夫の関心は低い。(2)育児上困ったことは、乳児期では主として身体的側面、幼児期では母子関係や自立などに関わる事柄であった。困った時、母親が頼りにするのは、夫、近所の友人、続いて自分の母親であり、専門家に相談した者は3割程度にすぎない。 2.青年の親準備性の実態(男女大学生・保育者養成課程短大生対象の質問紙調査の結果):(1)学生の乳幼児との関わりは親戚の子どもに言葉かけや遊び相手をする程度で、子どもの生活上の世話や世話を一人で任されることは極めて少ない。関わった経験は男子学生よりも女子学生、さらに保育学生の方が多い。(2)学生が育児にとって重要であると考えることは、子どもの遊び仲間や自然環境、母親の実際的な保育技術や心身の発達に関する知識である。女子に比べ男子の価値観は、分散している。(3)その他の側面については現在分析中である。 3.母親の育児力にかかわる要因(子どもの発達上偏りあるいは問題行動がみられるケ-スの面接調査の結果):母親が悩んでいるケ-スと積極的に育児に取り組んでいるケ-スには、大きな違いが見られた。前者には共通して母親の子どもに対する受容度がかなり低い上に、母親自身が自分の両親から受容されていたと感じる度合も低く、夫との信頼関係が希薄であり、かつ母親が地域の中で心理的に孤立している傾向が見られた。 4・今後の課題:親の育児力と青年の親準備性の比較から、育児力の向上にとって何を、何時、どの様に経験することが必要であるかの検討を進める。また、面接調査により育児力形成要因をより深く、多面的にとらえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)