Project/Area Number |
01510112
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
高原 正興 京都府立大学, 文学部, 助教授 (30154892)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1989: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 万引 / 統制機関 / 社会的反作用 / ラベリング効果 / 暗数 / 少年保護 / 検挙主義 / 少年非行 |
Research Abstract |
1.統制機関の設定は全て大型店舗の保安担当とした。具体的には、東京・京都・大阪・岡山・高知・鹿児島の6都市内の各々4店舗程度の協力を得ることができた。 2.用意した調査項目は第一次調査と第二次調査に分かれる。第一次調査については、全店舗の保安課長クラスに対する面接聞き取り調査によって、(1)概要-面積・要員・保安活動の状況、(2)実態-年間実数・金額・品目等、(3)万引き対策-状況・具体策・効果・方法、(4)万引き観-担当者の属性・原因観・誘因、(5)その他-説諭の方法・印象的なケ-ス・誤認、などを調査した。第二次調査については、各店舗に保管されてある調書の類の照会を依頼して、全ケ-スについての特徴を書き写しする許可を得た。その内容は、日時曜日・年齢・性別・学齢・被害品目・数量・価格合計・措置・共犯者数・居住地特性等である。 3.全ての資料収集の中から特徴的なケ-スを抽出すると、首都圏A百貨店の場合、実質要員14人・年間実員224人・被害金額約500万円・少年比60%・男女比1:1・多発時間帯-夕方・推定暗数10倍等であり、地方圏B百貨店の場合、実質要員18人・年間実員205人・被害金額約110万円・少年比85%・男女比4:1・推定暗数10倍等ということであった。全数処理中であるが、少年保護の精神と検挙主義の間にあって店舗側の方針が多様であり、特に措置のあり方については老舗の地場資本型百貨店がより保護的であるのに対して、新興の中央資本型ス-パ-は機械的処置の傾向が強かった。 4.現場における説諭と警察送致の分かれ目は、累犯度や被害金額や要保護性等が要因となって担当者の判断と関わっていくようである。さらに、最寄りの派出所が書類送検を行うか否かの基準を調査すれば、このプロセスの全体像がかなり明確になってくると思われる。
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