Project/Area Number |
01510229
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤澤 計眞 新潟大学, 人文学部, 教授 (30018634)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 制定法 / 動産占有回復 / 訴訟手続 / 不動産占有回復訴訟 / 新規侵奪占有回復 / 王国慣習法 / 州共同体 / 国家権力組織 |
Research Abstract |
ヘンリ-3世治世第52年の1267年に成立したマ-ルバラ制定法第3条は、動産占有回復(リプレヴィン)の訴訟手続に関する規定である。また、ヘンリ-3世の後嗣エドワ-ド1世治世第13年の1285年に公布されたウェストミンスタ-第2制定法第2条も動産占有回復(リプレヴィン)に関する法規定である。さらに、同法第25条は、不動産占有回復訴訟に関する新規侵奪占有回復(ノ-ヴェル・デシ-ジン)の訴訟手続の規定である。上述のマ-ルパラ制定法第22条の、自由保有(フリ-・ホ-ルド)に関する令状の規定は、不動産占有差押が、国王令状の発給に拠らざるかぎり、執行不能であることを明記し、侵奪不動産占有回復に関する法的措置を実質的に含む文言を提示している。自由保有に関する侵奪不動産占有回復の法的保障は、遠くヘンリ-1世治世まで遡及し得る立法として現れ、ヘンリ-2世治世の立法は、侵奪占有に関する法規を、王国慣習法の構成要素しとて明確に位置づけたものである。ヘンリ-3世治世晩年のマ-ルバラ制定法(1267年)及びエドワ-ド1世治世盛期のウエストミンスタ-第2制定法(1285年)の両制定法における侵奪占有回復訴訟に関する法規定は、ヘンリ-2世治世の立法を継承し、さらにこれに修正を加えつつ、一段と発展せしめた法的形態として理解することができる。これら制定法に基づき本研究は、平成元年度に既発表個別研究論文「イギリス13世紀における侵奪占有回復訴訟と領主的土地所有」(『新潟大学人文科学研究』第74輯)を前提として中世国家権力組織が、封建的土地保有法を具体的に作動させる機能を持つ点に、その本質的な属性があることをあきらかにし、さらに、占有回復の訴訟が州共同体を基盤とする巡回裁判(アサイズ)を通じて実体化される点に注目し、法的共同体としての州共同体の構成を分析し、国家権力組織の在地的機構を解明しようとした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)