Project/Area Number |
01510233
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山口 房司 山口大学, 人文学部, 教授 (10067902)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1989: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | プルマン・ストライキ / 二元的連邦制度 / 政府間関係論 |
Research Abstract |
技法としては、南北戦争から世紀転換期の合衆国史を従来の所謂「法制史」、「政治史」の単なる組合わせを越えてむしろそれら諸領域を架橋させる憲政史的手法によって解明しようと試みた。主題としては、世紀交代期から特に際立ちをみせた独占と、その出現に手を貸した合衆国最高裁の「保守的」諸判決、またそのような判示を大方のアメリカ人が許容した背景などを採りあげた。 この線上にたって今年度えられた新知見は、19世紀末のプルマン・ストライキをめぐる諸問題の解明であった。具体的にはシャ-マン反トラスト法の制定、最高裁によりそれが立法府の制定意図とはおよそかけ離れた解釈をされることによって資本有利・労働抑圧の時流を形成させた所謂、法律におけるOriginalismの問題、しかもそれらがいずれも二元的連邦制度をとる合衆国の土壌の上で出現したことを確認した。従って労働問題(ストライキ)をとりあげながら,力点は三権力部門、さらには連邦と州との間の関係を問う「国体論」におかれた。ここに政治史と政府間関係論Intergovermental Rolationsとの一先ずの「融合」に成功した。 今後の展開については、本研究費で入手しえた一等資料ー合衆国企業局コミッショナ-が長官を通じ大統領に提出したレポ-トTrust Laws and Unfair Competition(March,1915)と、Martin Sklarの賛否相半ばする新著(1988年)を中心に、19世紀末から第1次大戦までを、同上研究手法で解明しうるか否かを験する予定である。
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