Project/Area Number |
01520001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
江守 五夫 千葉大学, 法経学部, 教授 (50061809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 謙二 茨城キリスト教短期大学, 教授 (90113282)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 家族慣習 / 法社会学 / 中国少数民族 |
Research Abstract |
1 実態調査研究の成果。昨年9月下旬〜10月上旬にかけて秋田県各地と山形県温海町において実施した調査によって、つぎの家族諸慣習を明らかにすることができた。(1)《年季婿》と《初生子相続》の一形式(長女の婿が長男の成長まで当主の地位を中継ぎする形式)とが密接に結びついて、調査地の全域で行われていたこと。(2)分家創出の際、本家の囲炉裏の灰を分家に分ける習俗が秋田県鹿角地方から仙北地方にかけて分布していたこと。(3)特殊な《出嫁女帰葬》の習俗(即ち子が出来ぬまま若死した嫁の遺骸や遺骨を生家に帰す習俗)が、秋田県の上記の地方において行われていたこと--等である。 これらの諸習俗は、いずれも中国の東北地区の少数民族において見出されるものであり、日本の東北地方の家族慣習の原義を解明する上で重要な拠が得られたのである。なお、昨年7月下旬に実施された新潟県長岡市の民俗調査(旧長岡藩家老家の葬礼習俗に関する調査)は、遺憾ながら所期の成果をあげ得なかった。 2 文献研究の成果。文献による理論的研究からは、主に次の成果をあげた。(1)平安貴族の家族研究として「『宇津保物語』における婚姻と女性」と題する論文を作成したこと。(2)中国文献中の家族関係資料(とくに北方少数民族の家族慣習資料)を編集・翻訳したこと。そのいずれも未公刊であるが、そのコピ-を専門家に配布して意見を求めた。 3 研究実績の概要。以上の実地調査と理論的研究の結果、わが国の伝統的家族慣習のうちには、中国の北方民族文化と連繋するものが少なからず含まれていることが明らかとされたのであり、今後、日本の家族慣習についての法社会学的研究を推進する上で、重要な指針が得られたのである。
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