日本の主要企業の対外直接投資の決定因に対するOLIフレ-ムワ-クの検討(ケ-ス・スタディ)
Project/Area Number |
01530029
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済事情及び政策学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正行 神戸大学, 経済学部, 教授 (80028050)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 直接投資 / 内部化理論 / ネットワ-ク / 情報 / 系列化 / 合併 |
Research Abstract |
日本の対外直接投資は、資本取引の自由化と円高という経済環境の下で急速に拡大している。直接投資の決定因は、個別の企業に特有のものもあが、大きく3つー所有上の優位、立地上の考慮、国際取引の内部化ーに分けられる。本研究はこれらの要因をケ-ス・スタディによって検証することを目的としてなされ、およそ次の結果を得ている。 1.技術力を背景に国際化している企業では、その所有上の優位を維持・確保する(研究・開発と特許・秘密)努力を重視している。プロジェクトが大きくなると、国家事業・共同事業を分担するかたちで参加するものもある(安定的市場の確保とリスクの分担)。 2.通信・輸送の技術の発達により、企業活動の結びつきが直線的なものから網の目(メッシュ)的なものに変化し、国際的な立地論に立脚した企業システムの方向に進んでいる。企業の海外進出にともない、その下請(部品提供)企業も進出する例が多い(ネットワ-クの国際化)。 3.ネットワ-クの内容が、単なる企業活動の結合ではなく、提携の程度を強めたもの(系列化・合併)となる傾向がみられる。企業の多角化は、分割よりも相互補完による協同にむしろ利点がある。 以上の1〜3を上述の3つの決定因と結合することは容易であるが、それらに共通したキ-ワ-ドになるのは技術・経営ノウハウを含む情報である。情報という経済財の取引が市場メカニズムのもとではうまく機能しえないことから、直接投資という組織の形成による組織内・組織間取引が発達する。この点の理論的・実証的研究が今後重要となるものと考えられる。この点を明らかにしたことも本研究の成果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)