Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 成信 東京大学, 教養学部, 助教授 (70012416)
伊原 信一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (30012347)
折原 明夫 東京大学, 教養学部, 教授 (10012337)
近藤 武 東京大学, 教養学部, 教授 (20012338)
清水 英男 東京大学, 教養学部, 教授 (00012336)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
今年度の主な成果の一つは,不定値偶単型格子の自己同型群の構造の決定である。この問題は古くから非常に重要な問題とされており,色々な研究者が多くの結果を得ている。しかし格子を含む空間の次元が高くなると,非常に複雑な様相を示し,手をつけることが出来ないように思われていた。代表者はこの問題に対する手がかりを得て,この自己同型群の構造を解明することが出来た。以下その概要を報告する。 与えられた指数1の不定値偶単型格子を整数環Z上で有理数体Qによりテンソル積する。これによって得られる体Q上の2次形式つきベクトル空間Vは指数1をもつ。正指数の2次形式つき空間Vに対するスピン群Spin(V)の構造は,数年前代表者により決定されている。即ち,Spin(V)は2種類の初等的部分群EとFで生成され,ある種の胞体分割を持つ。Spin(V)の元Xのベクトル表現ψ(X)で,元の格子Lを不変にするものは,格子Lの自己同型になっている。この様な元X全体をSpin(L)で表すと,Spin(V)はリ-群Spin(VR)の離散的な部分群であり,そのベクトル表現は,格子Lの自己同型群の大きな部分を占める。格子Lの偶単型性を使うと,上記の初等的部分群EおよびFの中に,ある格子Λと同型な二つの部分群があり,それらはSpin(L)に含まれる。この2つの部分群で生成されるSpin(L)の部分群を決定するのが以後の研究課題となる。
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