Research Abstract |
1.(1)まず符号が(+2,-2)の2次形式のテ-タ関数に関してシンプレクティク群Sp(2,IR)と直交群SO(2,2)の不変微分作用素の交換関係がわかった。(2)Sp(2,IR)の不変微分作用素はCasimir作用素ともう1つの微分作用素で生成されるが、各々についてSO(2,2)の微分作用素と交換関係をもつことが、大型計算機やパソコンを使った数式計算によってわかったが、一方Casimir作用はある行列のtraceもう1つの作用素はその行列の行列式になっているのでその行列の成分が交換関係をもつことが期待され、色々計算機で計算したが、成功しなかった。rankの大きい群で交換関係を示すのに都合がよいのであるが。2.(1)交換関係によってSO(2,2)の保型形式からSp(2,IR)の保型形式が積分交換によってできるが、一方でその積分変換を直接計算してSp(2,IR)へliftされた保型形式のFourier係数としてgeneralized Whittaker functionが求まる。他方Sp(2,IR)の不変微分作用素を変数分離してgeneralized Whittaker functionのみたすべき微分方程式を求めた。見方を変えるとその微分方程式の特解を求めたことになるが、その解の具体的な形から類指により一般解が求まり、結局generalized Whittaker functionがすべて具体的に書き表わせ、その解析的は性質もよくわかった。これらすべてにパソコンの数式計算を利用した(2)generalized Whittaker functionが微分方程式によって特微ずけられるのでSp(2,IR)の保型形式のFowrier展開の係数とgeneralized Whittaker functionの比である定数をFourier係数と定義できる。(3)SO(2,2)=SL(2,IR)×SL(2,IR)の保型形式からliftされたSp(2,IR)の保型形式の(2)で述べた意味のFourier係数が特別な場合にだけだがSO(2,2)の保型形式の特殊値で表わせることがわかった。
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