Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一男 佐賀大学, 教養部, 助教授 (10193822)
杉田 洋 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (50192125)
久保 雅弘 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205129)
古庄 康浩 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039281)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40112289)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
平成元年度にひき続き,多様体の崩壊の際のその上のブラウン運動の系列の収束を調べているが,本年度は新たに以下のことが解った. 1.リ-マン計量の系列の単調性について:典型的な例では,リ-マン計量は単調に減少しながら退化した計量に近づくが、これをディリクレ形式に直すと,単調に増加して部分的に無限大の値をとる対称形式に近づく.これについては,加藤,Davies,Simonの仕事があり,彼らの結果を用いると,レゾルヴェントや半群等の解析的諸量がある極限に収束することが解る.一方,双対計量を,可積分接分布に付随するFrobenius座標系でみたときの非対角成分は,計量列が単調であるという条件から,好ましい量で抑えられることが解る.これらを結び付ける事により,対応する拡散過程の収束について,すっきりした定理を得ることができた. 2.無限次元の場合について:Wiener空間上のOrnsteinーUhlenbeck過程のMalliavinの意味での非退化Wiener写像の像について,Airaultがそのある意味での生成作用素をもとめている.これに,上の有限次元の場合の考え方を適用する事により,多様体の崩壊という視点からの新しい意味付けを与える事ができた. 3.新しい適用例について:昨年度までの具体的な適用例では,本質的に直積多様体上のリ-マン計量の系列を与えていたが,本年度はBerger球を用いることにより,新しいタイプの適用例を与えることが出来た. 4.tightnessについて:連続関数空間上の拡散過程が決める測度の弱収束を言うのに必要なtightnessのための条件をよく吟味した結果,PapanicolaouーStroockーVaradhanのより詳しい技法により,条件を大幅に弱めることができた.
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