Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1989: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
1.星が超新星爆発を起こす段階までどのように進化するかを,初期の質量,質量放出率,外層の重元素量と物質混合の程度をパラメ-タにして系統的に計算し,SN1987Aの場合のように青色超巨星で爆発する条件を求めた。物質混合がどの段階でどの程度の規模で起こることが必要か,どの機構がそれを可能にするかを明らかにした。 2.可視光やX線,γ線のモデルから示唆されているような爆発中の物質混合が実際に起こることを,二次元の流体力学的計算によって明らかにした。混合の程度が初期の摂動にどのように依存するかも系統的な計算によって明らかにした。超新星1987Aで観測されているような大規模な混合を説明するには,初期の摂動が非常に大きくなくてはならないことが問題として残されている。計算された物質分布と観測情報とから,物質の混合の仕方,固まりのでき方の流体力学理論を深めた。 3.膨張していくガスの温度が十分低くなると,ダストが形成されることを理論的に示した。X線やγ線の存在下でもダストが形成され得ることを示した。ダストの赤外放射を推定し,観測されている赤外線光度曲線をよく説明できることを示した。 4.1000日目以後の光度曲線の変動が ^<57>Coの崩壊によるとすると, ^<57>Co/ ^<56>Coの比が太陽組成比の5ー8倍というたり大量の ^<57>Coが必要であることを示した。また,この変動がパルサ-からの放射によるものとした場合,今後「ぎんが」によってパルサ-からのX線の観測が可能かどうかの予測をおこなった。 5.SN1987Aの元素合成モデルによる組成比と我々の銀河や大マゼラン雲の組成とを比較した。この三者の違いが何に起因するのかを,銀河の化学的進化の観点から考察した。また比較的暗い超新星の出現がどの型の銀河に特有のものであるのか,その出現率はどの程度かなど,この新しい型の超新星が銀河の進化論に与える影響を考察した。
|