Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ひもの理論の非摂動効果を記述するための一つの可能性として,ランダム3角分割の連続極限として,ひもを構成的に定義する方法が有望である。当研究代表者は長年にわたり,東京大学・コ-ネル大学においてひもの理論およびランダム面の一般的性質を種々の方面から考察して来た。当該年度においては,これらの結果をさらに発展させ,ワ-ルドシ-ト上に超対称性がある場合を含めて,ランダム面の臨界指数を計算し,ワ-ルドシ-トの計量の量子論的ゆらぎの効果によるオペレ-タ-の次元の変化を厳密に計算する方法を発見した。 また,ひもの理論は数学的には2次元の重力と考える事ができるが,この場合も含めて,一般の次元における量子重力の非摂動効果を調べる事は非常に重要である。一般に,非摂動効果を調べるためのきわめて有力な方法として,くりこみ群があるが,量子重力の場合には種々の技術的な困難があるため,ほとんど発展していなかった。当研究代表者は原子核研究所の二宮正夫氏と共同研究を行い,時究の次元を2次元のまわりで展開する【element】ー展開を開発した。これにより、時空のゆらぎのフラクタル構造が解明され,さらに宇宙項などの次元の低いオペレ-タ-は,異常な振舞いを示す事が見出された。 このように,当研究代表者の研究結果を含む種々の研究により,ひもの理論,ランダム面および量子重力の非摂動的性質がしだいに理解されるようになって来た。今後しばらくこのような方向での発展が続くと期待される。
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