Project/Area Number |
01540244
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉垣 良三 京都大学, 理学部, 教授 (30027338)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 敏隆 京都大学, 理学部, 助手 (40155099)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Keywords | 核力 / クオ-ク / カイラル・バッグ模型 / カイラル場 / 非摂動効果 / 有限要素法 / バリオン間相互作用 / QCD |
Research Abstract |
核力をSubnuclear levelからより深く理解する目的をもって、QCD-motivatedな有効理論の中で最も忠実にQCDの特徴を反映しており且π中間子場の効果をカイラル対称性の視点でとり入れるカイラル・バッグ模型に立脚して、研究を行った。この模型では、バッグの周りに存在するカイラル場が、もう一つのバリオンの接近によって、単一のバリオンから変化する様相を通じて相互作用(核力)が現れる。カイラル場の変化はバック内のクオ-ク状態を変化させ、クオ-ク状態はカイラル場に影響を与えるという様に、相互規定的な関係にある。 本年度には、この研究の第一歩として、v,dクオ-クよりなる球形のバッグからなる2個のバリオン系を扱った。まず、バッグ間相対距離が無限大のときは、夫々が孤立バリオンとしてhedgehog解をもつとし、それがバッグの接近で変化していく様相を追求した。非線型シグマ模型をカイラル場に選ぶとき、クオ-ク及びカイラル場の方程式を、バッグ表面での境界条件の下で解くことは、数値的方法によらざるを得ない。我々は、その方法として有限要素法を採用した。 まず、相対距離の大きい場合に、二つのバッグのスピン・アイソスピンの相対配位を設定する。バッグが接近した時は、この配位を出発値として、iterationを行って正確な解に到達する。実際の計算は典型的な三配位(引力的、斥力的、弱い力)について行った。結果は;(1)カイラル場は二つのバッグに挟まれた領域で増大(減少)が著しく、(2)それに応じてクオ-クのエネルギ-が低く(高く)なり、(3)クオ-クのエネルギ-変化の方が優位となる。(4)2fm以上では、OPEPに一致し、(5)2fm以下では非摂動効果が強く現れる。 結論として、この研究の方向が核力の非摂動効果の解明に有効であることが確認でき、今後より現実的な計算をすゝめる足場を得た。
|