液晶の電気流体力学的不安定性におけるパタ-ン形成と欠陥の動力学
Project/Area Number |
01540302
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
甲斐 昌一 九州工業大学, 工学部, 教授 (20112295)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 電気流体力学的効果 / 欠陥力学 / ネマチック液晶 / パタ-ン形成 |
Research Abstract |
ネマチック液晶薄膜に電界を加えることによって生じる対流構造(電気流体力学的不安定性:EHD)は、印加電界の上昇とともに次々と分岐現象を起こして異なった構造へ転移し、最終的には十分発達した乱流へと発展していく。本研究ではこれらのパタ-ンの形成と最初の分岐後に見られる欠陥の動的挙動を研究し、非線形パタ-ン選択過程の知見を得ることを試みた。得られた結果は次のようにまとめられる。 (1)欠陥の運動には境界の効果が重要である。 (2)電界を安定対流域から上昇させると、不規則に欠陥が生成・消滅するいわゆる欠陥カオスが発生する。そこでは欠陥数の時間変化が非周期的に変動し、そのパワ-スペクトルは1/f型となっている。 (3)ロ-ル状安定パタ-ンは磁界Hをロ-ル軸に平行に印加すると、小さな磁界の場合には波数の増加と斜向ロ-ルやジグザグロ-ルを、一方強い磁界下ではクロスロ-ル不安定性を導びく。またロ-ル軸に垂直に印加すると、ロ-ルの配向軸を変えることなく波数がHに比例して増加する。また対流発生閾値が磁界強度に比例して増大することが観測された。この波数変化と閾値の挙動については線形理論で説明できた。 (4)対流発生後磁界の印加方向を回転させると、印加磁界の強度によってパタ-ンの追従緩和過程に奇妙な挙動が見られた。すなわち弱い磁界強度下でロ-ル軸に平行に印加した磁界を垂直方向に回転させると、斜向ロ-ルから欠陥の発生・運動を伴ってストレ-トロ-ルへ連続的に変化していく。しかし強い磁界強度の場合には、斜向ロ-ルが一旦消えたのちにストレ-トロ-ルが発生する。すなわち一旦対流構造が消え、改めて巨視構造の形成が始まる。これは対流の緩和・成長とディレクタ-配向の緩和・成長との競合によるものと理解される。またこの変化に対する緩和時間γはHcを臨界磁界とするとγ〓[(H^2-Hc^2)/Hc^2]^<-1/2>と得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)