Project/Area Number |
01540319
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三池 秀敏 山口大学, 工学部, 助教授 (10107732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 和利 山口大学, 工業短期大学部, 助教授 (50107728)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 非平衡非線形現象 / BZ反応 / 流体現象 / 動画像処理 / 2次元速度計測 / パタンダイナミックス |
Research Abstract |
非平衡化学反応として有名なBZ反応系に発生する流体現象の存在は、3年前代表者がマックスプランク研究所に滞在中見出した現象であるが、これを独自の動画像処理に基く高精度の速度計測法を用いて定量的に解析し、化学反応波と流体現象の相互作用についての知見を得た。 まず実験条件を整えるために、温度コントロ-ラ、簡易クリ-ンル-ム、蒸留水瀘過装置を試作した。また倒立顕微鏡とTVカメラの導入により、レ-ザ照明とポリスチレン微粒子(0.48μmφ)で可視化した流れが観測可能になり、化学反応波の伝播の様子と伴にビデオ装置に録画できるようにした。次に32ビットパソコンを導入し手持ちの画像入力ボ-ドと組み合わせ、ソフトウエアの開発によりフレキシブルな連続動画像入力装置を試作した。画像サイズ、画像密度、画像位置、サンプリング周波数、画像枚数が一定の制限下で必要に応じて自由に選択できる。実際の流れの解析では、空間フィルタ法と最大エントロピ-法を導入し、画像取り込み中に一部処理を並行して実行することで、連続17分のビデオデ-タ中の平均流速の時間変化(一秒毎)の計算を実行する自動解析システムが完成した。 蓄積してきたビデオデ-タを解析中であるが、今までに1)的状パタ-ン励起時の流体現象では円形のペトリ皿の周囲に沿う流れも存在する、2)渦巻き状パタ-ン励起の場合には振動流の発生が高温ほど早く出現しその振幅も大であるなど重要な知見を得ている。今後、解析を進め国内外の研究者との議論を深めることで、流体現象発生の原因及び流体現象と化学反応波のパタ-ンダイナミックスの関連が明確になると信じる。非平衡の化学反応系にパタ-ンが自己形成され、そのパタ-ンが流れを自然励起し最終的には発達した流れにより原因となったパタ-ンも流れ自身も消滅するという現象は、生体系との類似を考えても非常に興味深く研究の継続と発展が望まれる。
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