電磁気学的手法にもとづく火山の微細構造と噴火活動史の評価
Project/Area Number |
01540322
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西田 泰典 北海道大学, 理学部, 助教授 (60000874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貞臣 北海道大学, 理学部, 助手 (00001850)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助手 (40001846)
岡田 弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (40000872)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 火山 / 地下構造 / 電磁気 |
Research Abstract |
火山の微細構造を求める目的で、北海道駒ヶ岳、樽前山で電磁気学的観測を実施した。駒ヶ岳においては(1)昭和17年噴火時に形成された大亀裂の成因、具体的には亀裂形成時に溶岩の貫入を伴ったかどうか、(2)寄生火山か岩屑堆積丘か不明である赤禿山の成因、(3)外輪山の一部なのか奇生火山なのか不明な隈田盛の成因を解明することを目的とした。一方樽前山については、火口原内に分布する亀裂の構造解明を目的とした。これらの問題は、火山の活動様式をを解明する上で重要な鍵をにぎっている。 1.駒ヶ岳:(1)VLF-MT法による比抵抗探査、自然電位探査を行った所、大亀裂に沿って低比抵抗、高自然電位が観測された。このことは地下深部から熱水が上昇していることを示している。そこでこの亀裂は単なる熱水上昇の通路としてのみ存在しているのか、噴火時に溶岩の貫入があって形成されたのかを確かめるために全磁力測定を行った。その結果、亀裂周辺で観測される磁気異常は、地表面の凹凸の効果で説明がついてしまい、大規模な溶岩の貫入を考える必要のないことがわかった。(2)赤禿山には顕著な磁気異常が観測された。単なる岩屑堆積丘の場合、その内部磁化は互に打ち消し合って磁気異常が出にくいと考えられるため、赤禿山は奇生火山であると結論ずけた。(3)隅田盛の磁気異常は、外輪山溶岩として露出している砂原岳、剣ヶ峰と同程度の帯磁物質の存在で説明出来る。隅田盛も外輪山の一部をなすものと結論ずけられる。 2.樽前山:火口原に分布する亀裂沿いに磁気異常が観測される。この異常は強く帯磁した貫入岩の存在などでは説明出来ず、むしろ山体より帯磁の弱い物質の存在で説明される。亀裂沿いに上昇してきた熱水や噴気により亀裂周辺の磁化が弱められた結果生じたものであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
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