Project/Area Number |
01540354
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 俊勝 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90113688)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 運動量空間 / 運動量電子密度 / 密度汎関数理論 / 運動量再分布 |
Research Abstract |
原子・分子の微視的レベルにおける電子のダイナミクスを、伝統的な位置空間の視点からではなく、運動量空間の視点からとらえ、特に電子の運動量密度やコンプトンプロファイルという実験上も正確に測定されている物理量を通してこれを理論的に究明することを目的として研究を進め、以下の成果を得た。 1.運動量空間におけるシュレ-ディンガ-方程式はフレッドホルム型の積分方程式となる。この方程式を、フォック変換を用いて積分核を四次元の球面調和関数で展開することにより、代数学的な凝固有値方程式に帰着させた。結果を水素分子イオンに応用し、22の電子状態に対する正確なエネルギ-と波動関数を得た。 2.運動量電子密度から位置電子密度を求める手法として、非線形な点変換の理論を提唱した。この理論を実際にヘリウム原子に応用し、信頼性の高さを確かめた。 3.運動量空間の手法を用いて、水素原子間のファンデァワ-ルス相互作用の波動関数を正確に決定した。これを用いて、相互作用の起源となる電子の運動量再分布の機構を明らかにした。 4.運動量空間におけるシュレ-ディンガ-方程式が、位置モ-メントの波動関数についての線形平均に対する一組の連立方程式と等価であることを見出した。この方程式の利用について考察した。 5.点変換の理論により、電子密度から波動関数を形成することができる。これにより、電子密度の変分的決定法すなわち新しい密度汎関数理論が得られた。ヘリウム原子への応用において、この方法の有効性を明らかにした。
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