Project/Area Number |
01540362
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 重樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (20113425)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 化学反応 / 光化学過程 / 電子移動 |
Research Abstract |
本研究では溶液内の光化学過程、特に異なる電子状態間の非断熱遷移を伴う過程に注目し、これを記述する実体的なモデルを確立するとともに、極性溶媒中で電荷移動、分離が重要な役割りを果たす分子系にフリスの理論計算を実行した。具体的には、(1)4-N-ジメテルアミノベンゾニトリルの水溶液中での分子内電荷移動状態の生成機構、(2)ジメチルアリニンのイオン化に伴う溶媒の誘電緩和の機構について研究をおこなった。前者では、溶質分子の分子内座標と溶媒の緩和を表す溶媒座標に対して反応の自由エネルギ-面を求める方法を開発し、モンテカルロ法を用いて計算を実行した。結果は(a)電荷移動状態に繋るS_2状態の自由エネルギ-面は溶液中では気相中と全く異なりジメチルアミノ基が90°回転した配置が安定構造となること。(b)S_1状態からS_2状態への遷移の活性化エネルギ-は約4kca /molと計算され、実測値と良く対応すること。(c)電荷移動反応の自由エネルギ-面は通常仮定される放物線型とは大きく食い違い、非調和性が非常に大きい、等のことが分かった。また、後者のジメチルアニリンは、分子間電子移動反応の典型的なドナ-分子であり、イオン化に伴い大きな構造変化があることが知られている。ここではabinitio分子軌道法を用いて中性、イオン化状態にフリスのポテンシャル面を計算し、更に、両状態での水分子との相互作用ポテンシャルを求めた。次に、このポテンシャル関数を用いて分子動力学法により、イオン化に伴う水溶媒の緩和について調べた。結果は、緩和の動力学はdamped oscillationとして記述することができ、その調和ポテンシャル、摩擦係数は水分子間のク-ロンポテンシャルのゆらぎに由来することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)