Project/Area Number |
01540372
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 農学部, 助手 (20135552)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 油水界面イオン移動 / イオン移動速度定数 / 四級アンモニウムイオン / ニトロベンゼン / 油水界面電気化学 / イオンの水和 |
Research Abstract |
1.一価カチオンの油水界面イオン移動速度の測定 0.1mol dm^<-3>テトラペンチルアンモニウムテトラフェニルボレ-トを溶かしたニトロベンゼン溶液(NB)と0.1mol dm^<-3>Licl水溶液(W)を接触させて分極性NB/W界面とし、25.0℃における各種四級アンモニウムイオン、Me_3NH^+、ME_4N^+、ME_3EtN^+、Me_3PrN^+、Me_3BuN^+、Me_3(EtOH)N^+、Me_2Et_2N^+、MeEt_3N^+、Et_4N^+、Et_3PrN^+、Pr_4N^+の移動速度を交流分極法で測定した。各イオンの標準イオン移動反応の速度定数K_Sはいずれも0.1cm/sのオ-ダ-であり、従来、報告されている値よりも一桁大きい。溶液中のこれらイオンの極限当量電導度からの直観的な予想とは異なり、イオン半径の増加と共にEt_4N^+まではKsが増加し、Et_4N^+で最大(k_s=0.14±0.03cm/s)、それ以上では逆に減少した。この結果は、界面におけるイオン移動過程ではスト-クス則は成り立たず、界面イオン移動過程を単純にイオンの拡散過程とのアナロジ-で考えることはできないこと、これらイオンの水和の程度が界面通過の速度に大きく寄与すること、を示唆するものである。logkはEにほぼ直線的に変化し、見掛けの移動係数αはいずれも約0.5であった。 2.一価アニオンの油水界面イオン移動速度の測定 同じ溶液系におけるBF_4^-、PF_6^-、C10_4^-、SCN^-のK_sは0.17,0.16,0.11,0.8cm/sであり、水和の程度が低いものほど、またイオン半径の小さなものほど大きなksを有することがわかった。これはカチオンの結果と一致する。logk vs.Eプロットは上に凸となり、カチオンとは異なる。 3.結論と展望 油水界面イオン移動に水和、脱水和過程が重要な役割を果たしていることをはじめて明らかにした。イオン移動反応の温度依存性、界面構造の知見をあわせることにより、より詳しい機構解明が可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)