過冷却温度領域およびガラス状態における電解質水溶液のミクロ構造と動的性質
Project/Area Number |
01540387
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山口 敏男 福岡大学, 理学部, 助教授 (70158111)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | X線回折 / 中性子回折 / 中性子準弾性散乱 / 液体構造 / イオンの水和 / ガラス状態 / 水の構造 / 電解質水溶液 |
Research Abstract |
[ZnX_2・5H_2O(X=Br,I)の構造]液体窒素温度まで冷却できるクライオスタットを製作した。液体試料ZnBr_2・4H_2Oは25°,-5°Cで、ZnI_2・5H_2Oは85°,40°,25°,-5°,-20°CでX線回折測定を行った。動径分布関数およびモデル解析の結果、いずれの溶液中でもハロゲン化物イオンは、亜鉛イオンの周りに四面体の配置で並んでいる。ZnーBr,BrーBr原子間距離はそれそれ2.44Å,4.07Åである。ZnーI,IーI原子間距離は、それぞれ2.66Å,4.46Åである。ZnーXの平均配位数は温度により変化しないが、XーX平均配位数は過冷却状態では室温の時より増加した。この結果は、過冷却状態においてもガラス状態でみられたZnX_2・3H_2O=ZnH_2O)^<2+>_6+ZnX_4^<2->の反応がおこることを支持する。[LiCl・5D_2Oの構造] 同位体試料^7L^<35>CL・5P_2O,^7Li^<37>Cl・5D_2Oについて25°,-100°,-180°においてパルス中性子回折実験を行った。同位体置換法により解析を行い、塩化物イオンの周りの水和構造(ClーD,ClーO原子間距離,配位数)を室温、過冷却状態、ガラス状態において明らかにした。 [多孔性シリカ中の水の構造と動的性質]多孔性シリカガラス(孔径30Å,100Å)に水を充填した試料について、DSC測定、中性子回折中性子準弾性散乱の測定を室温〜-80°Cにおいて行った。DSCの結果-35°C付近で細孔内の水が連結する。結晶化に伴う発熱ピ-クが2種類現れることから、細孔内には2種類の水が存在する。中性子回折の結果、温度低下に伴って1.8Å付近の0ーD結合に基くピ-クが成長し水素結合が増加することがわかった。-80°Cでも結晶ピ-クは現れず、氷はアモルファス状態であると考えられる。中性子準弾性散乱の結果から、温度の低下とともにピ-クの半値幅が減少し、水分子の運動が減少する。また、孔径が小さくなっても水分子の運動が抑えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)