Project/Area Number |
01540426
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機化学一般
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森分 俊夫 岡山大学, 工学部, 教授 (30032923)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 清機 岡山大学, 工学部, 助教授 (60033239)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 不斉合成 / 不斉ジオキシCope転移 / キラル置換シクロペンテン / 2価パラジュウム触媒 / 不斉ヘテロ環化反応 / キラル2,5-置換テトラヒドロフラン / キラル2,5-置換ピロリディン |
Research Abstract |
(1)アニオン性ジオキシCope転移反応を用いる光学活性シクロペンテン誘導体の合成:(4S,5S)-4,5-Dihydroxy-2,6-octadieneを基本骨格とすると基質に、クラウンエ-テル存在下NaHを作用させると(室温、4時間)、生成物として(E,E)-ジエン体(1,8-bis(benzyloxy))からは(4R,5S)-1-formyl-4,5-bis(benzyloxymenthyl)cyclopenteneを99%以上の鏡像体過剰率(収率65%)で得た。一方、基質に(Z,Z)-ジエン体を用いると相当する(4S,5R)-体が同様に高い鏡像体過剰率で得られた。生成物の絶対構造と遷移状態でのジエンのジアステレオ面の調和を考察した結果、ジアニオン性ジオキシCope転移反応はクラウンエ-テルの存在から予想された隣接する裸のオキシアニオンの生成によって、それらが最も遠く配向するものではなく、アルカリ金属を含んだキレ-ション構造を経て進行することが結論された。この結論は基質に(E,Z)-ジエン体を用いた場合にラセミ体が生成することによって更に支持された。ジアニオン性ジオキシCope転移反応は本反応が最初の例であると同時にオレフィンのジアステレオ面区別の手法として新しい有効な手段を提供するものであり価値ある成果と考えている。明らかにされた基本概念を用いれば、オレフィン部分の置換様式によって他の方法では得がたい、複雑な炭素環状化合物のキラル合成が可能と考えられ引き続き研究を継続する。 (2)Pd(II)-触媒を用いるanti-Baldwin-型脱水環状反応によるヘテロ環状化合物の不斉合成:キラルなアリリックアルコ-ルに2価のパラジュ-ム作用させれば、そのキラルな水酸基によってパラジュ-ムの配位がジアステレオ面選択的に指向される可能性がある。更に、分子内の合理的な位置にヘテロ求核官能基が存在し、かつ上記の様な立体制御が可能であれば、活性化されたオレフィンに対して不斉ヘテロ環化反応が進行するはずである。今回の研究によってそのような作業仮説が合理的であることが判明した。すなわち、4-位にキラリティを有する1-benzyloxy-4,5-dihydroxypent-2-enにPdCl_2(CH_3CN)_2をTHF中室温で作用させると、テトラヒドロフラン体が光学的に純粋に得られた。5-アミノ体から対応するピロテリディン誘導体が得られた。いずれも新しい不斉ヘテロ環化反応であり、有機合成上有意義な研究成果が得られた。引き続き研究を継続する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)