ペプチドキレ-ト配位子によるMo(VI)錯体のオキソ配位子の活性化
Project/Area Number |
01540509
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上山 憲一 大阪大学, 理学部, 講師 (80093376)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 金属酵素モデル錯体 / モリブデン錯体 / ヒスチジン残基 / システイン残基 / オリゴペプチド |
Research Abstract |
モリブデン酸化酵素の活性部位は(Mo^<VI>O_2)^<2+>や(Mo^<VI>OS)^<2+>を持ち特異的な酸化反応を行っている。この反応性を探るためにペプチドモデル錯体を合成し、Mo=Oの移動反応を指標にして反応性を調べている。平成元年度前半はシステインチオラ-トでキレ-ト配位したモデル錯体、〔Mo^VO(ZーcysーProーLeuーcysーOMe)_2〕^ーを合成し、Mo^<IV>に還元して空気やアミンーNーオキシドとの反応でMo^<VI>を作り、その酸化反応性を調べた。 後半は金属タンパク質にinvariantなCys,His残基によるキレ-ト配位したものがあることに着目し、CysーXーYーHis配列を持つペプチドの合成を行った。下の反応式に従って〔Mo^<VI>O_2(ZーcysーXーYーhisーOMe)_2〕(XーY=AlaーPro,ProーVal)を合成した。 〔Ma^<VI>O(acac)_2〕+ZーCysーXーYーFlisーOMe→〔Mo^<VI>O_2(ZーcysーXーYーhisーOMe)_2〕+2acacーHこの錯体は黄色粉末として得られ、従来の(S、N)配位子を持つMo^<VI>錯体とスペクトルは酷似しているが、酸化反応性は極めて高いことが判明した。現在、この錯体の溶媒による電気化学的性質の変化などを研究中である。 また、Cys残基とHis残基の間のアミノ酸残基数がキレ-ト効果を制御すると考えられるので、ZーCysーXnーHisーOMe(X=Ala,n=0,1,2,3)を同時に合成している。この配位子から下の様な反応式でHg^<II>錯体およびAg^I錯体を合成した。 2HgCl_2+ZーCysーXnーHisーOMe→〔Hg_2Cl_2(ZーcysーXnーhisーOMe)Cl n=0.1では2AgCO_2CF_3+ZーCysーXnーHisーOMe→〔Ag_2(CO_2CF_3)(ZーCysーXnーhisーOMe)〕 n=2,3では3AgCO_2CF_3+ZーCysーXnーHisーOMe→〔Ag_3(CO_2CF_3)_2(ZーcysーXnーhisーOMe)〕これらの錯体はCys、His残基を活性部位に持つ金属酵素やZnーフィンガ-の阻害時に形成される構造を持つために、その性質が興味深い。この製菓は日本化学会春季年会で発表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)