ホモおよびヘテロ二核金属ボルフィリン錯体の生成反応機構
Project/Area Number |
01540516
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40039285)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ボルフィリン / ホモ二核金属ポルフィリン / ヘテロ二核金属ポルフィリン / 反応中間体 / 水銀ポルフィリン / 亜鉛ボルフィリン |
Research Abstract |
金属ボルフィリンの生成反応における水銀(II)の触媒作用で、我々が提案してきた反応中間体へテロ二核金属ボルフィリン錯体の生成を直接観測するために、テトラキス(4-スルフォナトフェニル)ボルフィン(H_2TPPS)_4と水銀(II)とのホモ及びヘテロ二核ポルフィリンの生成を平衡と反応速度の立場から研究した。その結果、次のようにしてヘテロ二核金属ボルフィリン錯体の生成の現象を直接捉えることができた。(1)水銀(II)はpH1-3でH_2TPPS_4と反応してホモ二核水銀(II)ボルフィリンを生成する:2Hg^<2+>+H_4TPPS_4【double half arrows】Hg_2(TPPS_4)+4H^+。その平衡定数は(log K)-4.25±0.08である。反応速度は十分に分離した二段階反応で進み、第一段目の反応は10-20ミリ秒で、二段目の反応は1-5秒で完結する。反応機構はH_4TPPS_4【double half arrows】H_2TPPS_4+2H^+、Hg^<2+>+H_2TPPS_4〓Hg(H_2TPPS_4)、Hg(H_2TPPS_4)+Hg^<2+>〓Hg_2(TPPS_4)。速度定数はそれぞれ、(3.8±0.5)x10^9M^<-1>s^<-1>(第一段目の反応)、(3.7±0.2)x10^3M^<-1>s^<-1>(第二段目の反応)である。(2)ホモ二核水銀(II)ボルフィリン錯体と亜鉛(II)との反応もまた次のように二段階で進むことが反応の吸光度の時間変化より明かになった。Hg_2(TPPS_4)+Zn^<2+>〓Hg(TPPS_4)Zn+Hg^<2+>、Hg(TPPS_4)Zn〓Zn(TPPS_4)+Hg^<2+>。第一段目の反応がボルフィリン1分子に水銀と亜鉛が同時に配位したヘテロ二核金属ボルフィリン錯体である。第二段目の反応は亜鉛の濃度にも水銀の濃度にも依存せず、反応中間体Hg(TPPS_4)Znの生成を裏付けた。このように平衡と反応速度のスペクトルの変化及びその速度式から、はっきりとヘテロ二核金属ボルフィリン錯体の生成の現象を直接捉えることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)