ルテニウムー99のメスバウア-分光とガンマ線摂動角相関
Project/Area Number |
01540527
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
安部 文敏 理化学研究所, 核化学研究室, 主任研究員 (50087491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 吉蔵 電気通信大学, 電子物性学科, 助教授 (00109795)
小林 義男 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員補
大久保 嘉高 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員 (70201374)
岡田 卓也 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (00087420)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | メスバウア-分光 / ガンマ線摂動角相関 / 超微細相互作用 / 酸化鉄 / ロヂウム |
Research Abstract |
濃縮安定同位体^<99>Ru(金属)を理研の160cmサイクロトンで加速した12MeVのプロトンで照射し、(p,n)反応により^<99>Rhを製造した。タ-ゲットを水酸化カリウム水溶液に溶解し、ルテニウムを塩素で酸化し、四酸化ルテニウムとして四塩化炭素に抽出して除去した。溶液に残った^<99>Rhをイオン交換により精製したのち、水酸化鉄と共沈させた。沈澱を空気中750°Cで2時間焼成しαーFe_2O_3(^<99>Rh)とした。この試料を線源とし、濃縮^<99>Ru金属を吸収体として、液体ヘリウム温度で90KeVのガンマ線についてメスバウア-スペクトルの測定を行った。得られたスペクトルは多くのショルダ-をもつ非対称の巾の広い線で、^<99>Rhから生成する^<99>Ruがコランダム型の反強磁性体であるαーFe_2O_3の中で、超微細磁場と電場勾配を感じていることが示された。また、異性体シフトから^<99>Ruは3価の状態にあることが明らかになった。一方、フッ化バリウムシンチレ-タを検出器とするガンマ線摂動角相関測定器を組み立てた。1.5インチΦ×1インチのシンチレ-タと標準的なファ-ストースロウ系を用いて、400ps以下の時間分解能が得られた。この測定器を用いて、αーFe_2O_3(^<99>Rh)の摂動角相関の測定を353と90KeVのガンマ線について行った。室温においては電気的四極相互作用と超微細磁場双方による摂動が観測された。αーFe_2O_3のネ-ル点より高い750°Cにおいては、電気的四極相互作用のみによるパタ-ンが観測された。これらのデ-タから、^<99>RhはαーFe_2O_3の鉄イオンを置換し、これからEC壊変で生成する。^<99>Ruも同サイトを占め、周囲の磁性鉄イオンとSUPERTRANSFERRED超微細相互作用をしていることが結論された。現在、同様の実験をFe_3O_4について行っており、あわせて^<99>Ruと磁性鉄イオンとの間の相互作用についてより定量的な議論を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)