Project/Area Number |
01540528
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 拓司 東北大学, 理学部, 教授 (60006426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博章 東北大学, 理学部, 助手 (40174809)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マウス / アグチ遺伝子 / 致死遺伝子 / サイクリツクAMP / 発生遺伝学 |
Research Abstract |
マウスのアグチ遺伝子座におけるA__ー^y突然変異はホモで致死効果をあらわし,A__ー^y/A__ー^y遺伝子型の胚は着床の頃に死滅する。この突然変異は古く1908年に発見されたものであるにもかかわらず、その作用機序については明らかになっていない。このような胚発生初期に効果をあらわす致死遺伝子の作用機序を解明することは、動物の初期発生における遺伝子の発現とその調節の理解におおきな寄与をなすものと思われる。 この研究においては、A__ー^y遺伝子の効果があらわれる発生の時期を明らかにし、異常胚が起こす発生上の変化を追跡し、さらにその変化から予想される欠損物資も添加して、A__ー^y/A__ー^yの遺伝子型の胚を正常発生させることを試みた。 先づA__ー^y/a__ーへテロ固体の交配による胚を体外培養して観察したところ卵割期に異常を起こす胚は対照(a__ー/a__ー×a__ー/a__ー)に比して多くなく、又、解離した割球を用いて検討した結果においてもA__ー^y/A__ー^yホモの胚が分裂能の低下を起こしているという証拠は得られなかった。 次の段階として孵化について検討した。受精後3.6日の胚盤胞を培養すると、48時間以内に透明帯を突き破って孵化するが、A__ー^y/a__ー×A__ー^y/a__ーの交配による胚には孵化率の低下が観察されたので、A__ー^y/A__ー^yホモの異常は孵化能力の低下としてあらわれていると考えられる。 さらにA__ー^y/a__ーへテロ個体の色素細胞においてはサイクリツクAMPのレベルから低下していると考えられていることから、A__ー^y/a__ー×A__ー^y/a__ーの交配による胚をサイクリツクAMPを加えて培養したところ、孵化率が上昇することを観察した。これらの実験結果からA__ー^y遺伝子の産物は細胞内のサイクリツクAMPの産生を阻害しているものと考えられ、A__ー^y遺伝子の多面発現もそのような観点から説明できることと思われる。
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