家族性クチキゴキブリ類の摂餌生態及び共生微生物との関係に関する研究
Project/Area Number |
01540543
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 忠夫 東京大学, 教養学部, 教授 (90106609)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | クチキゴキブリ類 / 摂餌生態 / セルラ-ゼ / 呼吸 / 食性 |
Research Abstract |
(1)クチキゴキブリ類のセルロ-ス消化能力を消化管の各部位ごとに測定し、比較して、以下の結果を得た。前腸のセルラ-ゼの最適pHは42〜54の範囲であり、これは前腸内容物のpHと一致している。一方、後腸にはCMセルラ-ゼ活性はない。したがってクチキゴキブリ類は主として前腸においてセルロ-ス消化を行っており、そのセルラ-ゼの起源は唾液腺にあると推測される。 (2)クチキゴキブリ類の呼吸速度をポ-タブル炭酸ガス濃度計を用いた簡便な方法により測定し、その生重依存性について相互に比較検討を行い、以下の結果を得た。デ-タをグラフにプロットした場合、生重と呼吸速度は相関が高く、一次近似的には大きさだけで決まっていることを示している。クチキゴキブリ類の4種間の比較では、呼吸速度の生重依存性はほぼ一致していた。クチキゴキブリ類とその他のゴキブリ類の間には、呼吸速度の生重依存性に有意の差があった。特に、同じ亜科に属し、生息環境も似ている食材性ゴキブリとヨロイモグラゴキブリとの間には回帰直線の高さに差があった。これは食性の違いによる同化速度の差によるものである。 (3)飼育実験による樹種、材の腐朽段階を考慮して、摂食量、排泄量を測定し、消化効率を調べた。また食物、動物体、排泄物等の炭素含量、窒素含量を測定し、摂食活動による炭素収支、窒素収支を計算した。その結果、クチキゴキブリ類の摂餌効率はたいへん悪いものであることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)