エクロジャイト(とくに累進エクロジャイト)の岩石学的研究
Project/Area Number |
01540656
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
鉱物学(含岩石・鉱床学)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
諏訪 兼位 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90111624)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | エクロジャイト / コ-サイト / 中国 / 高圧変成岩 / 縫合帯 |
Research Abstract |
揚子・中朝両地塊の境界をなす縫合帯中には、コ-サイトを含むエクロジャイトが点在する。中国東部の山東省および江蘇省から採集されたこれら超高圧エクロジャイトについて、岩石学的検討を行った。 これらは、そん母岩の違いによって、片麻岩(タイプI)、超塩基性岩(タイプII)および大理石(タイプIII)中に産するものに大別される。タイプIエクロジャイトは、主にざくろ石+オンファス輝石+角閃石+藍晶石+石英(コ-サイトの仮像)+ルチルの鉱物組み合わせを持ち、およそ30kb以上の超高圧累進変成作用で形成された。タイプIIエクロジャイトは、タイプIに類似し累進変成作用によって形成されたと考えられるものと、上部マントルに由来するものとに大別される。後者は、主にMgに富むざくろ石とオ-ジャイトからなり、石英を含まないことを特徴とする。タイプIIIエクロジャイトは、Caに富むざくろ石とオンファス輝石からなり、キンバレ-岩中に産するグロスピダイトと類似する。 これまでに報告されたデ-タを含めて、コ-サイト・エクロジャイトの形成条件を比較すると、西部の大別山地域から東部の栄成地域にかけて、平衡温度は次第に高くなることが明らかとなった。また、エクロジャイトの上昇にともなう後退変成作用の温度条件も、東部ほど高いことが明らかとなった。これらのことに対する解釈として、(1)東部ほどより深部に由来するエクロジャイトが分布する。もしくは(2)東部ほどより高い地熱勾配のもとで変成作用をうけた。ことが考えられる。 また、再平衡組織の一つであるシンプレクタイトに着目すると、それが発達するエクロジャイトと認められないものに大別できる。シンプレクタイトは、母岩である片麻岩が被った広域変成作用時に、形成されたと考えられており、それの有無は、エクロジャイトの貫入時期がさまざまに異なっていたことを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)