Project/Area Number |
01550032
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理計測・光学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立川 真樹 東京大学, 理学部, 助手 (60201612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 房和 富山大学, 理学部, 助教授 (40142236)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | レ-ザ-不安定性 / カオス / 非線形ダイナミクス / 受動的Qスイッチ / 分子緩和過程 / 炭酸ガスレ-ザ- / 亜酸化窒素レ-ザ- |
Research Abstract |
可飽和吸収体を含むレ-ザ-(LSA)系において、レ-ザ-出力が示すダイナミクスを観測し、媒質の原子分子過程とレ-ザ-不安定性の関連、及び不安定性が生じる機構を、CO_2,N_2Oレ-ザ-を対象として研究した。 1.N_2Oレ-ザ-において、前にCO_2レ-ザ-で観測されたのと同様な、微小振動を重畳した複雑な波形の受動的Qスイッチ(PQS)パルス、周期倍加分岐に伴うカオスが観測された。レ-ザ-媒質の振動緩和を考慮したレ-ト方程式モデルにより観測波形が再現され、これらのレ-ザ-系では振動緩和が律速過程となり、回転準位間のダイナミクスはレ-ザ-不安定性に影響を与えないこと、また、レ-ザ-下準位に速い振動緩和が存在し、これが複雑な波形のPQS、カオスが生じるのに不可欠であることが明らかになった。 2.カオス的なPQSが生じる機構を解明するために、レ-ト方程式の数値計算解を解析した。その結果、微分方程式系のダイナミクスがlogistic写像に類似した1次元写像から導かれることが示され、カオスが現れる過程がFeigenbaumのシナリオと合致することが明らかにされた。 3.外部変調を受けたLSA系のダイナミクスとして、Stark効果によって吸収ガスの吸収係数を変調されたCO_2レ-ザ-における不安定性について調べた。外部変調の導入により、新たに周波数ロッキング現象、カオスへの準周期ル-トが観測された。これらの不安定性も、前述のレ-ト方程式モデルによって再現され、カオスへの準周期ル-トでは、数学モデルであるCurry-Yorkモデルと同様の振舞いが現れることが示された。 以上、本研究によってCO_2,N_2O-LSA系の非線形ダイナミクスのモデル系としての有用性が示されたと共に、実験を厳密に再現する理論モデルが得られたことにより、レ-ザ-不安定性の観測から媒質の物性定数を決定する手段が開かれたといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)