2光子励起光電効果を利用した広波長域高時間分解能サプリング分光法の開発
Project/Area Number |
01550040
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理計測・光学
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
高木 芳弘 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80106161)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 光電効果 / 2光子励起 / 自己相関法 / 光導電効果 / 超短パルスレ-ザ- / ピコ秒 |
Research Abstract |
研究計画に従い個体の2光子光電効果を利用した広波長域サンプリング分光法の開発を行った。まず種々の光電材料における2光子光電効果による自己相関および交差相関信号をピコ秒レ-ザ-光を用いて観測した。(1)非線形外部光電効果ー波長に応じてアルカリハライド(CsI,KBr、KCL等)、AgCl,PbI_2、CuI、BiI_3、TlI等をステンレス板に蒸着したものを用いた。まず2光子励起スペクトルを測定し光電効果と吸収スペクトルとの対応を調べ、ピコ秒レ-ザ-光の自己相関波形を観測した。Nd:YAGレ-ザ-光の基本波、2〜5倍波(1μmー0.2μm)を光源としてパルス波形の観測に成功した。またCsIとCuIにおいて交差相関波形を観測した。CuIにおいては第1光子(355nm)で伝導帯への励起が行われ第2光子で光電子放出が行われる過程が調べられ、伝導帯の寿命約200ピコ秒が得られた。最少検出入射パワ-は材料に依存するが、1光子吸収領域でほぼ100kw/cm^2、1光子透過領域で約1Mw/cm^2であった。このような感度、時間分解能、スペクトル特性等の基本特性がほぼわかったので現在、最終目標である色素溶液の発光を2光子光電効果を利用してサンプリングする応用への試みを行っている。尚、実験では主に真空容器に光電材料と電子増倍管を封入して行っているが、より簡便には光電子増倍管がそのまま利用できる。これまでCsSb_3、AgーOーCs(赤外)、CsI(紫外)等のフォトマルブライヤで上記と同様の結果を得た。(2)非線形内部光電効果ーいわゆる光導電効果において2光子励起による信号が検出され、(1)と同様の自己相関信号の観測に初めて成功した。用いた材料はSi、GaAsPフォトダイオ-ドとCdSフォトセルである。Siでは1.9μmのピコ秒光を、GaAsPとCdSでは1.06μmのいずれも赤外光に対して相関法によるパルス波形が観測できた。材料の選択により可紫光でも可能で、従来の高調波発生による自己相関器より安価で操作の容易な相関器が実現できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)