ファインセラミックス加工極表面の微視的構造に関する研究
Project/Area Number |
01550055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機械材料工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須賀 唯知 東京大学, 工学部, 助教授 (40175401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 重信 職業訓練大学校, 講師
高橋 裕 東京大学, 工学部, 助手
宮沢 薫一 東京大学, 工学部, 講師
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | メカノケミカルポリシング / セラミックス / 鏡面加工 / 加工変質層 / 表面分析 / 透過電子顕微鏡 / 窒化ケイ素 / 酸化クロム |
Research Abstract |
本研究では、窒化けい素、炭化けい素セラミックスに対し、ダイヤモンド研磨およびメカノケミカルポリシングを行い、その加工面を二次イオン質量分析(SIMS)および透過電子顕微鏡により、組成・構造の評価を行った。ダイヤモンド研磨は、粒径0.5μm程度のダイヤ砥粒を樹脂・錫複合ラップの上に塗布し、潤滑油とともに試料をその上に押しつけることにより行った。これに対し、メカノケミカルポリシングでは、アクリロニトリル、フェノ-ルなどの樹脂と粒径0.5μm程度の酸化クロム砥粒を適当な比率で混合し、それを成形したポリシングディスクをまず製作した。研磨は、回転するこのディスクに適当な荷重で試料を押しつけることによって行った。またその際、ダイヤ砥粒による研磨と異なり乾式で行った。その結果、酸化クロムによるメカノケミカルポリシングでは、窒化けい素に対しては表面粗さ4nmの超平滑面が容易に達成できるのに対し、炭化けい素では焼結体では結晶粒ごとに段差が生じた。この段差は、単結晶の炭化けい素では観察されず、またダイヤモンド研磨についても現れなかった。そもそもメカノケミカルポリシングに使われる酸化クロムは被加工材料よりも柔らかく、硬いダイヤモンド砥粒による加工とは異なって、機械的な引っかき効果による加工メカニズムとは異なる加工現象が生じていると考えられる。SIMSによる表面分析では、加工面に5nm程度のクロムの残留が観察されること、研磨により生じた研磨粉の透過電顕内EELSでは、加工生成粉はSiの酸化物であること、さらに、加工面の透過電顕観察では、表面層に酸化物層とみられるアモルファス相が観察されることなどを総合して、メカノケミカルポリシングでは、砥粒とのメカノケミカルな反応により、被加工物表面が酸化し、これが柔らかい砥粒により除去されることで加工が進行することが明らかとなった。また、これから予想されるように、メカノケミカルポリシングでは、加工による歪はダイヤモンド研磨より少ないが、この点も透過電顕観察により確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
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