Project/Area Number |
01550191
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 康彦 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (90051888)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 伝熱促進 / 直接接触伝熱 / 表面膜 / 表面粘弾性 / 蒸発 |
Research Abstract |
棚段塔形式の直接接触蒸発器内の一つのtrayを模擬する矩形断面のチャネル内に温水を低速で流下させ、その表面にパラフィン炭化水素を滴下して、水面上における拡がりと流動の挙動、更に蒸発の特性を調べた。水面上には流れに沿って一対の櫛歯状のバリア-を設置し、流路幅が流れ方向に一定のピッチで変化するようにした。炭化水素の滴が薄い両凸レンズ状を呈して水面上に浮遊しつつ流下していく際に、水面に吸着している炭化水素や界面活性な不純物の分子が形成する表面膜のレオロジ-的性質(主にせん断粘弾性)やバリア-壁上に形成されるメニスカスの作用を受けて変形振動を強制され、これがレンズ直下の温度境界層に作用して蒸発を促進させることが期待される。まず常温においてn-オクタンと水面上に滴下させ、そのレンズの変形振動に対するバリア-の幾何学的形状・寸法(対向する櫛歯先端間の距離、櫛歯の厚さと長さ、櫛歯のピッチ)、バリア-の材質と水面への接触のさせ方、流速等の影響を詳細に調べた。これにより、変形振動の力学的特性を明らかにすると共に、変形振動の生起に最適な条件設定についての知見を得た。親水性のバリア-壁面上に顕著な水のメニスカスが形成される場合ほど変形の振幅は大きくなり、メニスカスに起因する重力作用の寄与が大きいことが推定される。続いて、n-オクタンに替えて揮発性のn-ペンタンを用い、実際の蒸発器内の状態を模擬し得る条件設定のもとで蒸発実験を行った。温水表面の流速が増すとペンタン液はレンズ形状を取らずに速やかに表面上に拡がるようになることが確認され、蒸発器の構造あるいは操作条件によって蒸発特性が大きく変わり得ることが知られた。安定なレンズ形状が得られる場合について、上記櫛歯状バリア-の採用により蒸発時間を30%以上短縮させ得ることを確認した。
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