Project/Area Number |
01550239
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子材料工学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40143664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 徹 東京工業大学, 工学部, 助手 (00205139)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | LB膜 / 誘導電流測定法 / 配向制御 / トンネル接合 / ジョセフリン接合素子 / 相転移 / 双極子能率 / ポリイミドLB膜 |
Research Abstract |
本研究では、誘導電流法の理論的基礎の確立をすること、この電流計測システムを開発すること、作製したシステムを用いて水面上分子の動的な素過程を計測すること、さらに電界により水面上分子の配向制御の実現を目指した。また、ポリイミドLB膜を用いてトンネル接合素子の試作を試みた。主な成果は以下の通りである。 1.誘導電流法の原理の理論的検討 本研究以前に既に、平行平板電極の系については解析を終了していたが、より現実的なシステムを作るためにその一般化を行なった。その結果、水面に対して平行な電極でなくてもラプラス場が計算できれば水面上に誘導される電荷量が理論的に算出できる事が明かとなった。これにより、より一般的な誘導電流を測定するシステムの基礎を確立することができた。 2.誘導電流計測システムの開発 本研究の以前には、誘導電流を計測することは可能であったが、圧縮時に原因不明の急激な電流変化が認められた。本研究ではこの原因が、トラフ端の水面の影響である事が実験的、理論的に明かとなった。そこで、水面上部電極をシ-ルドすることでその影響をさけ、水面上単分子膜本来が持つ動的挙動に起因した電流スペクトルを得ることに成功した。 3.誘導電流による単分子膜の動的挙動の検出 水面上単分子膜の研究に最も一般的に用いられる直鎖飽和脂肪酸を用いて誘導電流の測定を試みた。ステアリン酸単分子膜の測定により、単分子の動的挙動が感度よく捉えられる事が明らかとなった。 4.水面上単分子膜の配向制御 電極と水面間に直流電界を加え、分子の配向制御を試みた。現在の測定系ては分子を配向制御するためには、大きな永久双極子能率を持った分子を選ぶこと、あるいは電極を水面に近づける工夫が必要てあることが理論的、実験的に明かとなった。 5.ポリイミドLB膜を用いたトンネル接合素子の試作 昨年度は作製プロセスに問題があり、ポリイミドを絶縁層とするジョゼフソン接合素子の試作に成功しなかったが、今年度はこの目標を達成できた。ただし、本研究では理想的なトンネル形の素子の成功にまではいたらなかった。また、トンネル伝導機構の解明に向けた足掛をえた。
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