貴金属基β相合金におけるベイナイト変態のFE電子銃付き高分解能分析電顕による研究
Project/Area Number |
01550509
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
唯木 次男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (90029885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 謙一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60029832)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ベイナイト変態 / 貴金属基β相合金 / 分析電子顕微鏡 / ナノメ-タ領域電子回折 / ナノメ-タ領域組成分析 / マルテンサイト変態 / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
我々はこれまでにβ相CuーZnーAlおよびAgーCd合金のベイナイト変態を高分解能分子電子顕微鏡により調べ、その変態には原子拡散が核生成の段階から本質的に関わることを明らかにした。本年度は、2段階成長機構を示唆する結果が以前に報告されているβ相CuーAuーZn合金におけるベイナイト変態を光学顕微鏡、電子顕微鏡および高分解分析電子顕微鏡により、特に、ベイナイト内の組成の場所的な変動の有無に注目して調べた: Cuー4Auー39Zn(at%)合金(配合組成)を溶体化処理後、200℃で等温処理したときに生成した板状ベイナイトのうち、厚さが150ー200nmのベイナイト内での、その厚さ方向の組成変動は、Cuの濃度変化として表せば、62.4±0.4(at%)であり、±0.6%程度の変化でしかなかった。すなわち、ベイナイト内の溶質濃度は、以前報告されたような、特に中心部で高いということは認められず、ほとんど一定であることがわかった。本結果はベイナイト変態機構解明上重要な知見である。今後は、Wu and Wayman(1989)によって極く最近報告された、やはり、2段階成長機構を示唆する電顕観察結果を検証するために、彼らが調べた合金と同じ組成の合金を作製して、その合金におけるベイナイト変態を本研究と同様の観点から検討する予定である。また、本研究では、溶体化処理温度の違いによってベイナイト組織が明らかに異なることが光学顕微鏡による観察で見い出された。これはベイナイトの核生成機構を考察する上で重要な結果であると思われるので、この点についても更に、結晶学的に、また、組成の観点から詳細に検討する予定である。なお、購入した設備備品はすべて本合金を加熱あるいは冷却ステ-ジの取り付いた光学顕微鏡で観察しながら、ベイナイト変態あるいはマルテンサイト変態の有無ならびにそれらの変態に伴う組織変化のその場観察とその記録に役立った。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)