急冷アルミニウム合金の高温変形に伴う組織と強度変化の解析
Project/Area Number |
01550530
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
金属加工(含鋳造)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (60016681)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 耐熱アルミニウム合金 / 急冷凝固 / Al-Fe-Zr合金 / 強制固溶体 / 相分解 |
Research Abstract |
急冷凝固には固溶限の拡大、晶出化合物の微細化など従来の方法では得られない利点があるため、各種のアルミニウム合金粉末あるいはフレ-クの製造、特性および成形固化の研究が盛んに行われている。本研究では、固化成形技術の改良に役立つ基礎的知見を得るためAl-8%FeおよびこれにZrを1〜3%添加した合金の急冷凝固を単ロ-ル法により行い、押出し加工前後の組織変化、機械的性質についてX線および透過電顕法を用いて検討した。得られた結果をまとめると以下の通りとなる。 1.押出材は、薄帯に対応する層状組織からなり、押出時の加工率の違いから層の間隔および配列度に差が生じていた。押出しのままの組織は大きさの異なる化合物が分散して存在し、200nm以下の微細なものはAl_6Fe、500nmを越えるもののて多くはAl_3Fe相であった。本合金の優れた耐熱性は、これらの分散化合物が比較的安定であること、化合物が粒界をPinningして粒成長を抑制することに起因している。 2.押出材の熱処理に伴う硬さは、Zrの有無に関わらず押出し温度以下では比較的安定であり、300℃、100hrの熱処理では押出しのままの強度を保持していた。Zr添加の効果は、350℃、100hrの熱処理材に対し顕著に現れた。また押し出し温度(430℃)以上の温度での熱処理においてもZr添加の効果が顕著となっている。これらは、固溶ZrおよびAl_3Zrの均一微細な析出によるマトリックスの強化によるものである。 3.Zrの添加は液相線温度の急激な上昇を伴うため、粗大な晶出物を生成し易い。このため、粗大化合物の界面でのクラックの発生、粗大化合物の集中した領域における母相の組成の不均一さなど高温における良好な特性を得る上で、改善されるべき点が多く、そのためにはまず、より安定した状態での急冷薄帯の作製が不可欠である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)