キトサン膜によるレアメタルの高度分離・能動輸送に関する研究
Project/Area Number |
01550578
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井上 勝利 佐賀大学, 理工学部, 教授 (90039280)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | キトサン / 吸着 / 膜分離 / レアメタル / 高度分離 |
Research Abstract |
研究期間が大変限られていたため、キトサン膜による金属イオンの分離機能および能動輸送機能を支配する重要な因子であるキトサンの金属吸着特性について重点的に検討した。すなわち1Mの硝酸アンモニウム水溶液、いろいろの濃度の硫酸水溶液ならびに塩酸水溶液中からのキトサンに対する各種の金属イオンの吸着実験を行い、吸着に対するpHや酸濃度の影響を調べることにより、各金属に対する選択性を明らかにした。さらにキトサンの単位重量当たりの金属の飽和吸着量を求めた。選択性の序列は硝酸アンモニウム水溶液ではCu^<2+>>Ni^<2+>>Zn^<2+>>Co^<2+>となり、硝酸水溶液ではIn^<3+>>Ga^<3+>>Cu^<2+>>Al^<3+>=Fe^<2+>>Cd^<2+>>Zn^<2+>となった。特にガリウムやインジウムのアルミニウム、鉄(II)、亜鉛からの分離特性、コバルトからのニッケルの分離特性がきわめて優れており、様々な分野への利用が期待できることが解った。さらに溶解の防止のために架橋を施したキトサンでは吸着の起こる領域が高pH側にシフトすることが見出された。またキトサンの単位量あたりの銅イオンの飽和吸着量を求めたところ、市販のイミノ2酢酸型キレ-ト樹脂のそれをかなり上回るという注目すべき結果が得られたが、架橋型キトサンでは飽和吸着量のかなりの低下が見られた。塩酸からの吸着では、白金(IV)やパラジウム(II)を除いてそれほどの吸着は見られなかった。 ニッケルおよびパラジウムの膜透過実験をキトサンとポリビニルアルコ-ルとのブレンド膜、およびキトサンを酢酸セルロ-スと硝酸セルロ-スとの混合物から成るミリポアフィルタ-に塗布した膜を用いて行なった。しかし、現在のところ膜にすると吸着の研究において見られたキトサンの優れた分離機能は発現されず製膜の際にかなりの工夫を要することが解った。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)