生物組織を分子識別素子およびキャリアとするバイオセンサ-計測システムの確立
Project/Area Number |
01550582
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
内山 俊一 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (80129163)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 分子識別素子 / フロ-インジェクション法 / 総ビタミンC測定 / きゅうりジュ-ス / ポルホビリノ-ゲン |
Research Abstract |
生物組織は多量の天然酵素を含有しており、生物組織を固定化酵素として捉えた分析法の開発を行い、下記の成果を得た。具体的には小麦はい芽を利用したポルホビリノ-ゲンセンサ-及びきゅうりジュ-スをキャリア液とする酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)ならびに総ビタミンCの測定法の確立である。ポルホビリノ-ゲンセンサ-は小麦はい芽からアセトン抽出したウロポルフィリノ-ゲンシンタ-ゼを固定したガラスビ-ズをアンモニア電極膜上にセルロ-ス膜で装着した構造をしている。このセンサ-の応答時間は5-10分であり、検量線の傾きは30(mV/decade)であった。この固定化酵素は約2ヵ月間安定であり、この間繰り返し測定が可能であった。また市販のきゅうりから得たジュ-スは非常に高いアスコルビン酸オキシダ-ゼ活性を有し、フロ-インジェクション法のキャリア液として用いると5x10^<-4>-1x10^<-2>MのL-アスコルビン酸が測定できた。さらに試料を注入する前にジチオスレイト-ル(DTT)を加えるとDTTが試料中に含まれる酸化型ビタミンCを還元してL-アスコルビン酸を生成させるため、結果として還元型と酸化型の和すなわち総ビタミンCが測定できることが明きらかとなった。なおデヒドロアスコルビン酸のL-アスコルビン酸への還元率は95%であり、各種果汁(キ-ウイフル-ツ、ミカン、レモン等)の総ビタミンCが極めて簡便な実験操作で1試料当り5分以内で測定出来ることがわかった。また本研究で開発した手法は新規なバイオセンサ-として有用であるとともに生物化学計測システムの新しいコンセプトを生み出した点で大変意義深いものであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)