層間架橋及びカ-ドハウス化による粘土鉱物の高機能化とその触媒反応への応用
Project/Area Number |
01550621
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
卜部 和夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (60092540)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | 粘土 / 触媒 / 層間架橋 / カ-ドハウス構造 |
Research Abstract |
1.結晶化度の高い層状の粘土鉱物のうち最も陽イオン交換容量(CEC)の大きなマイカ(雲母)に属し、かつ膨潤性を有するユニ-クなフッ素四ケイ素雲母(TSM)において熱反応に伴う交換性陽イオン(カルシウムなど)の固着(CECの低下)が起こることを見出した。これに架橋操作を施すことにより得られたミクロ多孔体の酸触媒能は、固着操作を行なわないものに比べ数十倍と飛躍的な活性向上を示すことが分かった。細孔構造の評価は窒素ガスの物理吸着等温線の解析によって行った。解析式を設備備品のパ-ソナルコンピュ-タにプログラムし、細孔分布を求めた。殆ど全てが分子サイズに近い20Å以下のミクロ細孔であった。現在固着させる陽イオン種を広範に変えると共に、反応分子のサイズを識別する分子形状選択的な反応への応用を検討中である。 2.結晶化度の低い、つまり粒子径の小さな合成スメクタイト粘土は固有なカ-ドハウス凝集に基づく高い表面積を600℃近くの高温までも保持できる。構造的には四面体骨格のみから構成されるゼオライトには不可能な八面体層格子内に遷移金属元素であるニッケルを含むサポナイト粘土の合成が可能であり、これが八面体層にマグネシウムを含む普通のサポナイトには全く不可能なエチレンを選択的にブテンに二量化する触媒能を持つことを見出した。これは、粒子が細かくカ-ドハウス構造による高い表面積とバルク全体に均一に分布する触媒活性なニッケルの存在によるものである。八面体層格子内のニッケルの存在は、設備備品の分光光度計用積分球の使用により確認された。 3.吸湿性また有機分子の吸着性の高い粘土鉱物の取扱いには、注意深い乾燥操作が必須であり、備品である定温乾燥器は粘土鉱物専用として使用している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)