Project/Area Number |
01550641
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸谷 健一 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90016741)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Keywords | イソブタノ-ル / 一酸化炭素水素化 / 酸化セリウム |
Research Abstract |
一酸化炭素の水素化により化学原料を得ようという試みには、60年以上の歴史と膨大な研究がある。反応の生成物は一般にシュルツ-フロ-リ-分布といわれる広い分子量分布をもち、選択的反応としては銅系の複合触媒を用いるメタノ-ル合成とニッケル系の触媒を用いるメタン化反応のみであった。本研究代表者は酸化ジルコニウムを触媒として用いるとイソブテンが、酸化セリウムを触媒として用いるとエチレンが、それぞれ選択的に一酸化炭素と水素から得られる事を見出している。この反応を温和な、含酸素化合物生成に有利な条件で反応を行うと両触媒共にメタノ-ルを与えた。しかし、反応時間を4日以上にすると酸化セリウムを触媒とする時のみ、約50%の選択率で2-メチル-2-プロバナ-ルが生成する事を見出した。更にこの反応についてイットリウムやランタン族等の希土類酸化物を触媒とした時の活性と選択性を検討したところ、やはり酸化セリウムが最も優れている事が明らかとなった。そこで酸化セリウムについて助触媒となり得る添加物さらに担体の効果について検討した。その結果、ストロンチウムやバリウムが酸化セリウムのもつ選択性を損なうことなしに活性のみを増大させる事、アルミナやシリカは著しい活性低下しをもたらす事が判明した。2-メチル-2-プロパナ-ルを水素化しイソブタノ-ルを得る為には酸化インジウムを添加した酸化セリウムが高い活性と選択性を示した。反応後のこの触媒の表面をX線電子分光法を用いて調べたところ、3価のセリウムの増加が認められ、このものが触媒性能と重要な関連をもつと推定されたので、この結論を基に優れた触媒の開発に向け研究中である。なおこの研究の内容は触媒化学と技術に関する第1回の東京国際会議で発表予定である。
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