Project/Area Number |
01550659
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
折登 一彦 北海道大学, 工学部, 助手 (20109482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野目 浩 北海道大学, 工学部・, 教授 (00000779)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ステロイド / 遠隔官能化 / アルコキシルラジカル / 分子内水素引抜き / ハイポアイオダイト / 分子力場計算 |
Research Abstract |
生体反応にみられる分子識別機能を有する高選択的反応に範を求める有機合成反応の開発は、高選択性、高効率分子変換に極めて大きな意義を有する。本研究は、細胞膜の重要な構成物質としてのその機能に大きな役割を演じている。ステロイド類モデル分子とて分子識別機能を組み込んだ遠隔官能化反応を開発し、分子の不活性部位への官能基の選択的導入に対する構造因子を明らかにし、さらにこれら遠隔官能化反応を含めた有益なステロイドならびに関連分子の選択的分子変換による新しい機能性分子の合成を目的として行われた。 種々のステロドアルコ-ルを材料に用い、これら分子に水酸基を有するカルボン酸をエステル結合させ、基質として用い、光化学的に発生せしめたアルコキシラジカルによる遠隔官能化を試みた。パラ置換ベンズヒドリル酢酸のステロイド3α-オ-ルエステルを、四塩化炭素溶液中酸化水銀-ヨ-素(各3等量)の存在下光照射し、アルコキシルラジカルを発生させると、43%の収率でアンドロスタン骨格の15位に一段階でカルボニルの導入が起きた。コレスタン-3α-オ-ルエステルでは、C/Dスピロ大環状エ-テル(16%〜37%)が生成した。これらの反応は、いずれも分子内アルコキシルラジカルによる選択的な14α水素引抜きにより生成する中間体14-ene体を経て進行することを別途合成により明らかとした。さらに、メタ置換ベンズヒドリルエステルでは、選択的にステロイドの9α水素の分子内引抜きが起き、9,11-ene体が生成し、さらに12α水素が、・0Iラジカルにより引抜かれ、結果としてコレスタン-3α-オ-ルエステルでは12α-オ-ル(26%)が、またアンドロスタン-3α-オ-ルエステルでは33%の収率で12位酸素化物[12α-ol(13%)12-one(20%)]がそれぞれ一段階の反応で生成した。また、D-ホモステロイドにおいても同様の反応の立体選択性が見られ、MM2を用いる分子力場計算を行ったところこれら大環状の遷移状態を経る分子変換においても反応部位の予測が可能であることが判明し、従ってこの方法により分子設計が容易に行われることを明らかとした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)