有機金属試剤を用いる有機テルル化合物のリガンドカップリングに関する研究
Project/Area Number |
01550670
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 栄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
年光 昭夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (60127107)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アルケニルテルリド / 有機テルル化合物 / テルリド-パラジウム錯体 / パラジウム(II)塩 / リガンドカップリング / 1,4-ジフェニルブタジエン |
Research Abstract |
アルケニルテルリドとして(E)-および(Z)-ジスチリルテルリドならびに(E)-および(Z)-スチリルフェニルテルリドを合成し、各テルリドとLi_2PDCl_4ならびにPd(OAc)_2との反応をアセトニトリル溶媒中で行なった。それぞれの反応における生成物の単離収率ならびに異性体比は次のようであった。Li_2PdCl_4との反応:55%(E,E:E,Z=66:34);69%(E,E:E,Z:Z,Z=22:47:31);41%(E,E:E,Z:Z,Z=63:35:2);73%(E,E:,Z:Z,Z=20:52:28)でいずれも生成物は1,4-ジフェルニブタジエンであった。後二者からはリガンドカップリングで期待されるスチルベンも得られたがその収率は10%以下と低かった。一方、前二者とPd10AeL_2との反応ではリガンドカップリングによる生成物は全く得られず、テルルがアセトキシ基で置換を受けた酢酸スチリルがそれぞれ56%(E:Z=96:4)と58%(E:Z=18:82)の収率で単離された。 通常、有機テルリドとパラジウム(II)塩は(R_2Te)_2PdU_2や〔(R_2Te-PdCl_2〕_2などの錯体を形成するものとされており,今回、著者らの見出した知見、すなわち炭素-テルル結合が切断されて炭素-炭素結合あるいは炭素-酸素結合が形成されるという発見は有機テルルの化学の分野において基礎的な面で重要である。 一方、ジフェニルテルリドおよびジドデシルテルリドとLi_2PdCl_4との反応では〔Ph_2Te)PdCl_2〕_2形成および1-ドデセン〔58%)の生成におわり、Pd(10Ae)_2との反応では(Ph_2Te)_2Pd10Ae)_2形成および1-ドデセン(84%)の生成が起こり、いずれからもリガンドカップリングあるいは炭素-炭素合成生成は起こらなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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