高立体規則性ポリスチレン結晶中の積層欠陥の構造解析
Project/Area Number |
01550694
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 正樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (60172003)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | シンジオタクチック・ポリスチレン / 単結晶 / 積層欠陥 / 電子回析 / 高分解能電子顕微鏡 / 構造像 / 格子像 / 構造解析 |
Research Abstract |
新しい立体特異性重合法により合成されたシンジオタクチック・ポリスチレンS-PSは、高立体規則度・超高重合性が得られるだけでなく、高融点(275℃)かつ結晶化速度も大きく、エンジニアリングプラスチックスとしての期待が大きい。分子量(Mw)7万あるいは16万のS-PSを、n-テトラデカンとデカリンの体積比2:1の混合溶媒に溶かし、0.01%程度の稀薄溶液とした。温度範囲160-200℃での等温結晶化によって薄板状の単結晶が得られた。溶液中に岩塩を入れ、その(001)面に生長させた単結晶は平面性が良く、かつ単層であった。しかし現在まだ、エピタクシ-生長の特徴は確認できていない。この板状単結晶は、先端の切れたひし形を呈した。S-PSには種々の結晶多形があるが、本研究で得られた単結晶は分子鎖が平面ジグザグ構造をとる斜方晶(P2,2,2:a=2.87nm,b=0.8nm,c=0.51nm)であり、分子鎖軸(C軸)は単結晶板面に垂直である。この単結晶のhko電子回折には次の三つの特徴がある。(1)hOOとOKOは偶数次しか現われずスポット状である。(2)hKOはh+Kの偶数の場合はスポット状、h+Kが奇数の場合はa^*軸方向にストリ-ク状である。(3)散漫散乱は認められない。以上のことを考慮に入れ、若干の試行錯誤の後、次のようなモデルに到達した。規則的結晶のbc面に平行な分子層を2分子層毎に区切ると、2種類のモチ-フの交互的な積層が出来上がる。規則的結晶の構造も充分には解析されていなかったので、エネルギ-計算を行ない、構造を決定した。モチ-フの交互性がくずれた積層欠陥部分についても計算を行ない、2分子層がC軸に平行な2回らせん軸をもつ組合せ(モチ-フ)ならば積層欠陥が生じてもエネルギ-がそれほど大きくならず規則構造に次いで安定であることがわかった。高分解能電子顕微鏡観察によって、提案した規則構造が妥当であることが確認されたが、積層欠陥についてはまだ充分な分解能を有する像は得られていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)